テレビPRとは?実施するメリットとPR会社に依頼する方法

インターネットやスマートフォンの普及によって、メディアの在り方は多様化しました。それでも、まだまだ影響力や宣伝効果が高く、PR手法の中でも人気のある「テレビPR」。本記事では、テレビPRとテレビCMとの違いやメリット、またPR会社に依頼する場合の手順まで、テレビPRの基本について紹介していきます。※2019/11/01更新

テレビPRの概要とテレビCMとの違い

テレビPRとは、商品やサービスをテレビ番組本編内で紹介してもらうPR手法のことを言います。テレビに自社の商品やサービスの情報が露出する点では、テレビCMも同じです。どちらも宣伝効果は見込めますが、テレビCMとテレビPRには大きく3つの違いがあります。

図1:テレビCMとテレビPRの比較表

オンエアされる枠は番組本編内

テレビCMは、番組本編ではないCM枠で一定時間オンエアされます。一方テレビPRは、番組本編内でニュースやトピックとして紹介され、オンエア時間は露出内容により様々です。

テレビ局からの費用請求がない

テレビCMの場合、CM制作から広告出稿まで行うには、数千~数億円ほどの多大な費用がかかります。一方、番組内で情報露出を行うテレビPRは、番組側から費用を請求されることは基本的にありません。PR会社にテレビPRを依頼する場合でも、数百万円に収まることがほとんどです。

情報の編集権は番組側にある

テレビCMは編集権が広告主(企業側)にあり、考査的に問題がない範疇であれば、発信したいメッセージをそのまま映像にしてオンエアすることができます。

一方、テレビPRは編集権が番組側にあるため、紹介のされ方や企画の構成に対しての要望は、基本的に受けてもらえません。「人気の〇〇」や「今話題の〇〇」というふうに、サービスや商品が単体で扱われることもありますが、多くの場合は「〇〇ランキング」など同じジャンルの商品やサービスが横並びで紹介されます。そのため、自分たちの商品が競合他社のものと同時に取り上げられることもあり、意図的に競合を排除することは不可能です。

テレビPRのメリット

テレビPRには、広告ではないからこそのメリットが存在します。下記では、その中でも特に重要な3点をご紹介します。

図2:テレビPRのメリット

質の高い情報露出とリーチ最大化

インターネットや雑誌上の情報と比較して、テレビで紹介される情報は、生活者からの信頼度が高いというデータが出ています。そんなテレビで取り上げられることで、信頼できる質の高い情報と合わせて、商品やサービスの情報とビジュアルを社会に広めることが出来ます。

また後述しますが、テレビは依然として広い世代が主な情報取得ツールとして利用しているメディアであるため、リーチできる層の広さにも期待が持てます。

テレビ番組での紹介による圧倒的な宣伝効果

テレビCMは、消費者に「企業の宣伝」として受け取られるため、流し見されたり、録画再生時には飛ばされたりします。それに対して情報番組などの番組内で紹介された場合は、「企業の宣伝」ではなく「最新情報」として受け取られるため、来店や購入の動機に結び付きやすい傾向にあります。

番組内での取り上げられ方を指定することは出来ませんが、情報提供の仕方によっては「絶品の○○のお店」や「主婦の○○を解決するアイテム」、また「人気芸能人〇〇の行きつけのお店」など、売上への直結が見込める露出を狙うことが出来ます。実際にテレビPRを実施して宣伝効果が得られた事例は、『テレビPRで売上前年比500%UP?!事例から学ぶテレビの宣伝効果とは』こちらの記事を参照ください。

テレビCMよりも圧倒的に安価に実施できる

テレビPRは番組側から費用を請求されることは基本的にないため、費用対効果を重要視する場合には、非常に有効的な手段です。また先述した通り、PR会社等に依頼する場合でも数百万円で実施することが出来るため、数千万円~数億円かかるテレビCMと比較して安価に行えます。

テレビPRをPR会社に依頼する場合

これまでテレビPRの概念や効果について解説しましたが、実際に自社でテレビPRを実施するとなると、非常にハードルが高いのが現状です。番組に適した情報を提供する必要があるだけでなく、時節性への考慮や他の商品との差別化など、ひとつのテレビ番組で取り上げられるためには、専門的な知識と経験、そして戦略が必要になります。

このような手間暇のかかる作業や頭脳を肩代わりしてくれるのが、PR会社です。PR会社は、メディアヒアリングや報道分析を日常的に行っているだけでなく、テレビ局とのリレーションも豊富であるため、PR会社に依頼することでテレビPR実施のハードルをぐっと下げることができます。

ここではテレビPRを実際に依頼する際の手順と契約の種類について紹介します。

テレビPRを依頼する手順

PR会社は、業界業務ごとに得意領域を持つ“専門PR会社”と、様々な業界や事業領域に対応できる“総合PR会社”の2つに大別することができます。またPR会社によって、よりリレーションの強い番組や得意領域が異なってくるため、自社の商材と依頼したい内容に合わせて、最適なPR会社を選定することが大切です。

PR会社の種類や選び方については、『PR会社の選び方と効果を最大化する付き合い方』こちらの記事を参照ください。

テレビPRの契約の種類

オーソドックスなPR活動と同様、テレビPRを依頼する場合にも、契約期間を定めてテレビPRやコンサルを行う「リテナー型」と、案件や期間を限定して行う「スポット型」の契約形態があります。また、テレビPRならではの契約形態として特に人気が高いのは、テレビPRが成功した場合にのみ費用が発生する「成果報酬型」の契約です。

先述したように、テレビPRは広告費を支払えば必ずオンエアされるテレビCMとは異なるため、いざPR会社に費用を支払って依頼しても、“1番組もオンエアを獲得できなかった”というケースは起こり得ます。そのため、初めてテレビPRを実践する時や、テレビPRの効果を試してみたいという場合は、この「成果報酬型」のテレビPRから実施してみるのが良いかもしれません。

テレビ離れは本当に進んでいるのか?

さいごに、テレビPRを実施する際に気になるのがテレビPRの効果です。ここ数年、急速に進んだメディアの多様化に伴って、生活者の可処分時間が分散することによる、テレビ離れを懸念する声が多くなりました。

ところが、メディアとの総接触時間の構成比は10年以上前から、テレビが圧倒的首位を独占し続けていることに変わりはありません。

【参照】メディア環境研究所「メディア定点調査2018」

【参照】メディア環境研究所「メディア定点調査2018」

新たに登場したスマートフォンの比率は増えていますが、テレビの接触時間は2008年より大きな変化は見られません。また、ニュース・情報を取得する際に利用するメディアは、15歳~69歳のいずれの世代においてもテレビがトップを占めており、まだまだ影響力は強いことが伺えます。

テレビPRについてさらに詳しく学びたい方は、『テレビPRマル秘テクニック3選!誰も教えてくれないテレビ取材が殺到する企画書のつくり方』こちらの記事も参考にしてみて下さい。

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