広告契約だけじゃない!タレントをキャスティングする際のポイントと手順

企業のプロモーションを盛り上げるために、タレントの起用を提案し、出演の交渉、事務所やタレントとの調整を行うキャスティング。キャスティングの概要や、キャスティングを行うメリットは、『キャスティングとは?|タレントをイベントに呼ぶメリット』の記事でご紹介しましたが、本記事では初めてキャスティングを行う際に知っておきたい、ポイントと手順について解説します。

キャスティング依頼の種類

キャスティングと一口に言っても、そのタレントに依頼する内容によって、契約形態や役割は大きく異なります。ここでは主要な3つの種類について、ご説明します。

図1:キャスティング依頼の種類

1. 広告契約

広告契約とは、あらかじめ決められた期間に、イメージキャラクターとしてテレビCMやイベントに出演してもらう依頼方法です

基本的に1クール※1(3か月)からの契約が可能であり、契約期間や露出範囲、また競合排他の有無によって、契約金額に大きな差が出てきます。テレビCMやポスター、またホームページなど制作物への出演だけでなく、新商品発表会のようなイベントへの出演依頼も可能です。
※1:稼働や契約期間によって、1か月から可能になる場合もあります。

2. 単発PRイベント出演

続いて単発PRイベント出演とは、新商品発表会のようなメディア向けのPRイベントに、その日のみゲストとして出演してもらう依頼方法のことを指します。

広告契約を結んでいなくても、PRイベントにタレントを出演させることにより、芸能枠でのメディア露出や話題化を狙うことが出来ます。また宣伝として、タレントのSNSに自社の商品等を投稿してもらう場合も、単発の契約を結ぶことになります。

3. インフルエンサー参加

最後にインフルエンサー参加とは、一参加者としてレセプションや新商品発表会に参加してもらい、写真や感想を自身のSNSで投稿してもらうことで、情報の拡散を狙う依頼方法のことです。

起用するインフルエンサーの種類はイベントによって様々であり、選び方もただフォロワー数の多さで決めれば良いというわけではなく、その人の投稿内容の傾向やフォロワーの属性、またフォロワーのアクティブユーザーの多さなど、様々な要素を加味する必要があります。

インフルエンサーに関する詳しい情報は、『インフルエンサーとは?|種類と特徴について』の記事をご覧ください。

キャスティングの手順とポイント

ここからはキャスティングの実施が決まった際の手順について、具体的にご説明していきます。

1. 目的整理と予算決め

図2:キャスティングを実施する目的の一例

先述したように、キャスティングの依頼方法にも様々な種類があります。どの商材・サービスに対して、どんな目的でキャスティングを行うのか、タレントの候補をリサーチする前に、目的を明確にしておく必要があります。目的が定まらないことによって、タレント探しの軸がブレてしまったり、メディア露出が思うようにいかなかったりと、のちのち支障がでてきます。意義のあるキャスティングにするためにも、人を選ぶ前に目的をしっかり整理しておきましょう。

またもう一点事前に考えておかなければいけないのが、キャスティングに割ける予算です。長期間のテレビCM出演や、芸能番組への露出を狙いたいのであれば、キャスティングにもそれなりの費用がかかってきます。この予算に関しても、その予算が目的を達成するのにふさわしい金額であるかどうか、目的と照らし合わせながら定めておく必要があります。

2. 候補者リストアップ

目的と予算が決まったら、今度はキャスティングする人物のリストアップを行います。キャスティングの目的や、プロモーションしたい商材のイメージに合ったタレント・インフルエンサーのリサーチを行い、候補者をリストアップします。こちらが依頼したいと思っても、契約内容や商材、また期間によってお断りされてしまう可能性もあるため、1人に絞り切ってしまうのではなく、複数の候補を用意しておくことがベターです。

一方で、タレントを起用する際になかなか決まらない理由に多いのが、

  • 「この芸能人に会いたい」という私欲が混ざっている
  • 予算の大幅オーバー
  • 契約OKな人の中から選ぼうとしている

上記の3点です。契約OKな人の中から選ぼうとする方法は、この後の事務所確認にかなり時間がかかってしまうため、効率的なようで実は非効率です。まずは契約の可否を考えず、目的やイメージに沿ったタレントのリストアップを行いましょう。

またこのリストアップからは、キャスティング会社やPR会社などに依頼するとよりスムーズになります。

3. 事務所確認

候補者リストをもとに、事務所に契約の可否について確認作業を行います。依頼したいタレントが、競合商材との契約を結んでいる場合や、イメージに反する場合など、お断りされるケースも多々あるため、この点も初めから念頭に置いたうえでアサインする必要があります。

またアサインする時点で、依頼したい日時や期間、商材の詳細、企画内容、ターゲット、その人物を選んだ理由…など、様々な情報が必要となります。スムーズに確認作業を行うためにも、事務所に話を持ち掛ける前に、これらの情報を全て整理しておくことが大切です。

4. 最終決定

アサインの結果を受けて、最終的に誰に依頼するかを決定します。最終決定をする前に、その人物のキャスティングが初めに定めた目的に沿っているかどうか、再度確認しましょう。

5.稼働当日

最終決定をしても、素材納品が完了するまで気が抜けません。当日のスケジュールや会場への動線確認をはじめ、衣装やヘアメイク、ケータリングのアレルギーチェック、また撮影用素材の事務所確認など、稼働当日が最大の山場となります。キャスティングするタレントが決まってほっと一息つきたくなるところですが、素材納品が完了するまでは確認に確認を重ね、ミスやトラブルが起こらないよう心がけましょう。

PR会社にキャスティングを依頼するメリット

このように依頼内容の種類も、キャスティングを代行してくれる会社の種類も多岐にわたりますが、ここではPR会社にキャスティングを依頼するメリットについて、ご紹介します。

1. キャスティングからイベント企画・当日運営までワンストップで対応できる

誰を起用するか、というのももちろん重要ですが、メディアが欲しい画を創り出す演出も重要になります。PR会社に依頼した場合、テレビ番組で紹介されやすい「画」を理解した上で、事務所への交渉や演出の企画を作成できるため、候補出しの時点からメディア露出を逆算して、戦略的にキャスティングを行うことが可能です。

またキャスティング機能を持っているPR会社であれば、イベントの企画作りからキャスティング、また当日運営まで一貫して行えるため、コストの削減にもなります。

2. メディアヒアリング

裏取りの前段階で、メディアに対して露出しやすいタレントやをヒアリングすることが可能です。このヒアリングによって、いま旬な人物や、メディアに露出しやすい人物のキャスティングが実現します。

キャスティングに関するご相談は、『タレントの窓口』まで。

キャスティングにも目的や戦略が必要

ここまでご説明してきたように、キャスティングでは、この人物を起用することによって自社にどんなメリットがあり、消費者にどんな影響を与えるのか、またその人物にメディアバリューがあるのかどうか、目的に応じて様々な視点から考える力が必要とされます。

より効果の高いキャスティングを実施するためにも、リストアップ前に目的整理をしっかり行い、ブレない軸を1つ持つことが大切です。

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