日々、サステナビリティな情報に触れているメディアやフリーライターの方々へインタビューを行う連載『メディアと読み解くサステナビリティトピックス』。第2回目は、Green Label合同会社 代表社員/フリーライターの伊藤緑さんにお話を伺いました。
Green Label合同会社 代表社員/フリーライター(サステナビリティ・ビジネス・音楽) 伊藤 緑 2000年、広報と両輪でフリーライターとしてライティングを開始。2005年より、宣伝会議社発行の『PRIR(現:広報会議)』にて、3年半ライターとして執筆し、これまで担当した媒体は10媒体以上。2020年からは、SDGsライターとして、ウェブメディア『SDGsナビ』にて、コラムを執筆。2021年、2022年には『Newsweek日本版』でサステナビリティに関する取材・執筆、2022年からは関西テレビの番組ウェブサイトでの執筆を行っている。 |
株式会社マテリアル ブランドプロデューサー/Eagleメンバー 山口 健太 大学卒業後に新卒でマテリアルに入社。通信キャリアやお菓子メーカーなど幅広いクライアントに従事、プロデューサーとして、発表会や調査PRなど様々な施策のプロデュース業務を遂行。国内外幅広いリレーションを活かし、2020オリンピックマスコットネーム発表会を担当。2022年9月からブランドプロデュース2局のシニアマネージャーに従事。また、マテリアルのサステナビリティプロジェクト・Eagleのメンバーとしても活動を行う。趣味はサッカー。 |
伊藤さんの取材・執筆時のポイント
①ドラマや旬なネタと絡め、生活者のアクションまでつながる情報を意識
「日本一SDGsをわかりやすく伝えるライター」を掲げ、執筆する媒体の読者層にはもちろん合わせつつ、特にSDGs初心者の人に向けた発信をしています。SDGsに関連する情報は、概念の話が多く、セミナーなどに参加しても、結局自分がいま何をしたらいいのかが分からないということがあると思うんです。なので、扱う情報としては、具体性を意識し、受け手が日々の生活でアクションを起こせるように心掛けています。わかりやすさという意味で、そのクールでやっているドラマや日々のニュースなど、旬なネタと絡めたSDGsの記事は、PV数が伸びやすいですね。
②究極のSDGs=無意識にSDGsへつながる行動ができている状態
私にとって究極のSDGsとは「無意識のうちにSDGsへつながる行動を起こせている状態」。たとえば、いまは環境に良いものを意識して購入するというフェーズですが、将来的には、街で見た格好いい商品を買ったら環境に良いものだったという状態になるといいですよね。そこまで昇華するためには、誰もがSDGsを当たり前に理解し、行動できる環境があってこそ。その橋渡しを担えるように意識しています。
伊藤さん注目のサステナビリティトピックス
あらゆる問題に紐づく“格差”
最近は、17の目標の3つ目である「すべての人に健康と福祉を」について考える機会が多いですね。ここには、日本国内に存在する“格差”も含まれます。少子化は経済格差に紐づいていますし、急速なインターネットの普及による情報格差で、受けるべき人が福祉のサポートを受けられていない現状などがあり、皆さんが考えているよりも、日本の格差は深刻な問題です。
また、17つ目の「パートナーシップで目標を達成しよう」という目標は、このSDGsをより推進していくために欠かせないポイントだと思うので、いち企業でできない活動は、みんなで協力し合ってクリアしていくという流れがもっと生まれるといいなと思います。
伊藤さんの気になった企業の取り組み
株式会社ユーグレナが2019年に開始し、現在第3期まで行われているCFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)の募集ですね。これは、事業を通じて地球のこれからについて考えられてきたユーグレナが、未来のことを決める時に、未来を生きる当事者がいないのはおかしいと、18歳以下のメンバーを募集しているもの。2022年6月には、新潟県の株式会社バイオポリ上越でもCFOの募集が行われ、新潟市在住小学6年生が活動しました。また、2023年4月には、鳥取県北栄町が未来の北栄町の代表として「環境CFO・最高未来責任者を募集」を行っています。これからを生きる世代が、自分の意思で関わっていくことはとても大切だと思っています。
\伊藤さんの執筆記事・担当コンテンツはこちら/
・ドラマ『監察医 朝顔』。主人公、万木朝顔は夫婦別姓?別姓が法律で認められないことは女性活躍の壁にならないか?
・LinkedIn「日本の事例からSDGsを理解する」
・アートパラ深川の広報誌『ARTPARA MAGAZINE』
1997年生まれの道産子。2020年に横浜国立大学を卒業し、株式会社マテリアルに新卒入社。新設のメディアリレーションチームに配属され、約1年間メディアの知識全般を深める。2021年6月より、『PR GENIC』の2代目編集長としてメディア運営を引き継ぎ、記事の執筆や編集業務に従事。新米編集長として、日々奮闘中。