日々、サステナビリティな情報に触れているメディアやフリーライターの方々へインタビューを行う連載『メディアと読み解くサステナビリティトピックス』。第7回目は、『with online』にて『ママジャーナリスト竹田有里のゆるSDGs』を連載する、竹田有里さんにお話を伺いました。
ママジャーナリスト 竹田 有里 大学卒業後、東京MX報道局に就職し、報道記者として活動。東日本大震災の被災地への取材をきっかけに、上智大学大学院地球環境学研究科に入学。修了後は、フジテレビにて『環境クライシス』(毎週月曜日22:54~23:00)を立ち上げ、ジャーナリストとして気候変動の現場取材を重ねた。取材を通して、社会提案できることを模索するなか、世界初『木のストロー』を開発。現在は、『with online』にて『ママジャーナリスト竹田有里のゆるSDGs』を連載する他、SDGsをテーマとした教育プログラムの開発にも関わっている。 |
竹田さんの取材・執筆時のポイント
①社会を担う子どもたちに向けて、子育て世代をメインターゲットに活動
SDGsは、文科省の教育プログラムや受験にも組み込まれているもの。これからの時代は「教育フロンティア」だと考えているので、社会を担う子どもたちに向けて、子育て世代をメインターゲットに活動しています。最近驚いたことは、子どもたちの学校の宿題のなかで、「あなたの両親が働いている職場が行っているSDGsに関する取り組みはなんですか?」という課題があることです。また、高校生や大学生も、これから自分が就職する会社がSDGsの達成に向けて、どういった取り組みをしているのかなど、企業の方々が驚くほど研究しています。子どもに気付かされることも多く、取材や活動を通して学びになる機会が非常に多いです。
②これまでにない取り組みやニッチな取り組みに着目
SDGsは、環境問題に目を向けてしまいがちですが、教育・ジェンダーなど、多岐にわたるテーマが存在するので、まだみんなが目を向けていないテーマに注目してもらえる記事づくりを意識しています。『with online』の連載では、自治体の制度や海外の教育プログラムなどの取り組み事例の需要も高く、実際に現地に行って取材しています。また、今後は「2030年以降どうしていくのか」という視点をより追求していくべきだと思っています。SDGsには、文化・芸術・宇宙に関するテーマが組み込まれていないため、今後はこうしたテーマにも注目していきたいです。
竹田さん注目のサステナビリティトピックス
生活者がSDGsに対して“お腹いっぱい”になっている状態を、どのように次に繋げられるか
SDGsというテーマに対する、企業と生活者との温度差が非常に激しいと思っています。当然、格差も広がっていくなかで、生活者から見ると、SDGsプッシュに対して“お腹いっぱい”になっている状態。いくら企業がSDGsを謳っても、それについていけない生活者が多いと感じています。
SDGsは、2030年までのグローバル・アジェンダで、残された時間はあと7年ほど。さなぎから蝶へと変革を起こす必要がある時期ですが、企業はまだ、さなぎの状態ですよね。このあと7年間で蝶になるためには、いち企業や個人だけで取り組むのではなく、“共創”をキーワードに取り組みを広げるべきだと考えています。
竹田さんの気になった企業の取り組み
①会津若松市『スマートシティ構想』
会津若松は、健康・福祉・教育・防災・エネルギー・交通・環境など、あらゆる分野でICTを活用した取り組みを推進しています。実際に、名古屋の大企業の社員が会津若松市に移住し、机上の空論だけでなく市民と同じ暮らしをして、同じ目線を持って、同じ目標に向かって課題解決に取り組んでいます。私がコーディネーターをしている、横浜SDGsデザインセンターも加わり、横浜の高校生を招いて今夏サマーキャンプを実施しました。高校生が地域創生に対して、より実感を持って考えるきっかけになればと思っています。
②オランダ『服の図書館』
海外の事例では、オランダの『服の図書館』という取り組みにはユニークさを感じました。館内を歩きながら気になった服を自由に借りられる。その服は着て楽しんだ後、返すというしくみになっていて、本を借りるように服をレンタルするという取り組みは面白いし、分かりやすい。楽しさ、わかりやすさのあるテーマは、生活者への自分ゴト化を促すうえでも重要になりますよね。
\竹田さんの執筆記事・担当コンテンツはこちら/
・ハワイ島とラナイ島の過ごし方。ウミガメやトビエイに出会える自然アクティビティが楽しい【vol.28】
・知らないと損してるかも?「子育て支援」が手厚い東京の自治体5選【vol.25】
マテリアルグループ株式会社 Eagleリーダー
2017年4月マテリアルに入社。プロデューサーとして日用品メーカー・ホテル・大手外食チェーン・スタートアップなど多種多様なブランドを50社以上支援。2021年9月からマテリアルグループのCD本部マーケティンググループに移り、コーポレートブランディングとサステナビリティプロジェクト・Eagleのリーダーを務めている。