メディアと読み解く注目のサステナビリティトピックス|いからし ひろき

日々、サステナビリティな情報に触れているメディアやフリーライターの方々へインタビューを行う連載『メディアと読み解くサステナビリティトピックス』。記念すべき第1回目は、フリーライター/きいてかく合同会社代表のいからしひろきさんにお話を伺いました。

フリーライター/きいてかく合同会社 代表 いからし ひろき
25歳のときに『日刊ゲンダイ』にてライターデビュー。以来、25年にわたってフリーライターとして活動。新商品紹介や人物インタビューを得意とし、『日刊ゲンダイ』、『サステナブルブランド・ジャパン』などで執筆中。ブックライティング、PR文書の作成・リライト・コンサルティング、YouTube用動画の企画・撮影・編集、ライブ配信なども行う。2023年6月にライターの労働環境改善やライター業のサステナビリティ向上を主目的とする「きいてかく合同会社」を設立。
株式会社マテリアル ブランドプロデューサー/Eagleメンバー 黒瀬 和美
2014年に新卒採⽤で株式会社マテリアルに⼊社。⼊社以降、AEとしてナショナルクライアントだけではなく、地⽅の企業や⾃治体案件までジャンルや業種を問わず幅広いクライアントを担当。現代社会が抱えるSDGsの様々な問題に対してZ世代が⾃発的に⾏動できる仕組みを共に作り上げていくプロジェクト『SDGzプロジェクト』と⽴ち上げにも携わる。また、マテリアルのサステナビリティプロジェクト・Eagleのメンバーとしても活動を⾏う。趣味はサウナ。

いからしさんの取材・執筆時のポイント
①入口は一般の方も入りやすい切り口にすることを心がける
『サステナブルブランド・ジャパン』では、企業のサステナビリティに関する取り組みの紹介がメインになるので、主に企業のSDGs担当をターゲットにしています。ですが、私自身SDGs専門のライターではないので、専門のライターとは違う切り口での執筆を心掛けています。記事の入口は一般の方も入りやすいものにして、幅広い層が読める内容を意識しています。

地味に見えてしまいがちな取り組みも、見せ方を工夫することで“新しい発見”がある記事へ
環境問題がテーマの場合、温泉と絡めて温泉×環境問題としたり、働き方がテーマの場合、私と同世代の50代以上の方へ向けて「これからの働き方」としたり、隙間を狙う切り口を考えています。たとえば、『サステナブルブランド・ジャパン』で執筆したサッポロビールの記事では、「気候変動に伴う降雨量増加への耐性と麦芽成分のバランスを向上させる性質を併せ持つ大麦の発見」など、堅く見えがちな取り組みも、収穫風景の写真などを入れて観光記事見えるように工夫することで、少しでも難しい内容を柔らかく伝え、また新しい発見のある記事になるよう努力しています。

いからしさん注目のサステナビリティトピックス
①「人的資本経営」や「ウェルビーイング」に注目
SDGsへの取り組みだけでなく、コロナ禍を経て、企業のあり方にも大きな変革が起こっていますよね。例えば人がオフィスに通わなくてよくなったことで帰属意識が薄れ、コロナ前の「人が企業のために働く時代」とは違う時代になっていることを取材を通して実感しています。また、取材を通して経営者は、口を揃えて「人材不足」を訴えています。人材獲得のためにも、本腰を入れて、社員のウェルビーイングを考えながら、人的資本経営に取り組む企業が増えていくでしょう。

②働く主体は自分だという生活者の認識が強まっている
これからはまず働く「人」がいて、そこに企業が働く場を提供する。自分らしく働いてもらってその利益の余った分を会社がもらう。というように、これまでとは立場が逆転した時代になっていくでしょう。働く主体は自分だという生活者の認識も強くなっています。

いからしさんの気になった企業の取り組み
日本ビジネスシステムズ(JBS)の社員食堂『Lucy’s(ルーシーズ)CAFE & DINING』が面白いと思いました。「ウェルビーイングをやるんだったら、大手飲食店にも負けない魅力的な社食にしよう」という想いで社員食堂を作られていて、安くて量が多い、いわゆる“食堂”のイメージはなく、街中にあるようなおしゃれなダイニングバーです。ここまで飛びぬけて、徹底的にやれば、社員が集いたくなる場所になると思います。取引先や社員の友人などを招待できるようで、福利厚生の枠を超えて社員のネットワーキングの場になっている点も素晴らしいです。


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きいてかく合同会社【公式ホームページ】
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