プロセスの発信がファンを呼ぶ!世界一やさしいTwitter集客成功のコツと好事例3選

人々の生活にSNSが根付き、企業がSNSを利用して情報発信や集客を行う例を多く見かけるようになりました。その一方で、なかなかお客さんを集めることができないとお悩みの方も多くいらっしゃると思います。今回は、今年の1月に著書『世界一やさしい Twitter集客・運用の教科書 1年生』を発売された、株式会社縁多代表の岳野めぐみさんにインタビュー。集客において、数あるSNSの中でTwitterが効果的である理由から、運用のコツと注意点、3つの好事例についてお伺いしました。

株式会社縁多 代表取締役 岳野 めぐみ
18年間、和食業界で女将を経験した後、ホストクラブ業界の広報へ転身。業界として広報・PRのポストがない中、一から活動を行う。その後、これまでに培ったSNS運営やイベント運営・実施の経験を活かし、フリーランスを経て株式会社縁多を設立。“寄り添うSNSマーケティング”を軸に、さまざまなSNSマーケティング支援を行う。

TwitterがInstagramやTikTokよりも集客にやさしい?

とにかくフォロワーよりもファンを増やすことが大事

―これまで、さまざまなご経験をされていますが、どのようなきっかけでSNSマーケティング支援を行うようになったのでしょうか。

きっかけは、自分のSNSに関連する知識を、色々な業界の人に知ってもらいたいと考えるようになったことです。もともと、個人的にイベントを主催する機会が多く、Twitter上で集客や告知を行っていた経験があり、ホストクラブの広報時代にもさまざまなSNS活動に携わっていました。そのような経験を経てフリーランスになった時に、知り合いや飲食店の方などから、SNSコンサルティングの依頼を多数いただくようになったんです。自分が思っている以上に、SNS運用に困っている人が多くいることを肌で感じ、そのサポートをしたいという思いから、株式会社縁多というSNSマーケティング支援を行う会社を立ち上げました。今では飲食店を始め、ダンススタジオや芸能事務所など、さまざまな業界の方のサポートをさせていただいています。

―岳野さんが依頼を受けるSNS関連のご相談は、どのようなものが多いのでしょうか。

私が相談を受けるSNS関連のお悩みを持つ人の大半は、中高年の方です。そのため、「そもそもSNSの使い方がわからない」「投稿にどう写真を追加するのかわからない」といった、基礎的な相談をいただくことが多いですね。

それに加えて、コロナ禍で飲食店の方からの相談もさらに増えたのですが、「とにかく発信をすればバズってお客さんが来るのでは」と考えている人が多いなと感じています。そういった方には、「日々の投稿の積み重ねでファンがいなければ、“バズる”ことは難しいですよ」ときちんとお伝えしています。

Twitter×集客の利点は、「自由度が高い」「人にファンがつく」こと

―さまざまな相談を受けられたご経験から、今年の1月に『世界一やさしい Twitter集客・運用の教科書 1年生』を出版されました。お客さんを集客するという意味では、Twitter1番向いているSNSということなのでしょうか。

集客に1番向いているという訳ではありませんが、おすすめする理由として、Twitterは「人間味」が出るツールであることが挙げられます。もちろん、140字に収めるテクニックやライティング能力は求められますが、たとえ文章が苦手だとしても、一生懸命さが伝わればOKですし、逆にその人の「人となり」が伝わりやすいんです。結果、“その人”にファンがつくようになり、アカウントが愛される理由になり、集客や宣伝にも繋がっていきます。

また、InstagramやTikTokと違ってAIにあまり左右されず、自由度が高いこともTwitterの特徴だと思います。たとえば、Instagramだと、アプリ上での日々の投稿内容がAIによって評価されていて、この評価が高くなければオススメに載ったりすることは難しいんです。対して、Twitterは共感を得られるようなことを書けると、他のユーザーのリツイートでどんどん拡散されていくため、SNSが苦手な人やテクニックがない人でも年齢を問わず活用しやすいと思うんです。いい意味で平等なツールだと感じています。

一方的ではない情報発信がポイント

何かある度にツイート=プロセスの発信で受け手をワクワクさせる

―それでは、実際にTwitterで集客を行っていく上での、効果的な運用方法やコツについて教えてください。

まず、前提として認識しておくべきなのは、暇つぶしでTwitterを見ている人が多いということです。「何かいいネタないかな?」と積極的に情報を探すツールではないため、宣伝色の強いツイートや広告は、受け手からするとノイズになり、嫌がられるということが理解できると思います。まずはこの前提を理解することがとても大切です。

そして、集客はあくまでもゴールであり、重要なのはプロセスです。そのため、物事の過程を見せていくことを意識してください。たとえば、皆さんの投稿は「〇月〇日に新商品が発売されます!ぜひ買ってください!」「〇日から新店舗がオープンします!遊びに来てください!」というような内容ばかりになっていませんか?先述したように、Twitterでは共感を得ることが大切です。そして、共感を得るためには、ゴールだけではなく、プロセスを見せていかなければなりません。仮に、新商品を発売するのであれば、その制作過程や試食の様子などを発信できますよね。そういったプロセスを出していくことで、見た人に「次はこんなものを作ってほしい」「発売されたら絶対食べに行きたい」というような共感する感情を与えることができるのです。一緒にワクワクさせることがポイントですね。

また、「何かある度に投稿する」ことも心掛けてほしいです。これは、「1日〇回投稿をする」という縛りではなく、「これは発信した方が良さそうだ」と感じる毎に投稿してくださいということです。たとえば、「来月から新しい食材を使います」でもいいですし、「いま、新メニューを考えています」でもいいんです。その店舗にとっての魅力が商品だけとは限らないので、日常の中に潜んでいる小さなネタを見つけて発信する意識付けをしてみてください。スタッフのキャラクターや日常の1コマなど、「自分たちが1番魅力的に見せられるものは何か?」を考えて欲しいですね。

DMは関係値を築いてから。いいねやリプライで積極的な交流を

―運用していく上で、注意すべき点についても教えてください。

一方通行な発信にならないようにすることは、とても大切ですね。ただ発信を行うだけでなく、フォロワーやフォロワー以外の人とも積極的に交流してみてください。Twitterでは、いいねやリプライをすることで、その人の「気になるアカウント」になることができます。そのため、自分の発信に興味がありそうな人や潜在顧客はもちろん、同業者で同じ悩みを抱えている人などに積極的にアプローチすることを心掛けてほしいです。

また、避けて欲しいのは、むやみやたらにダイレクトメッセージ(以下、DM)を送ることです。DMは営業メールと同じなので、関係性のない人からいきなり連絡が来ても、良い気はしない人が多いと思います。心得ている方も多いとは思いますが、集客や認知獲得に必死になりすぎて、意外とやってしまっている人が多いので、DMを送る前に、まずはその人との関係値を築くことにチャレンジしてみてください。

Twitter集客に成功した3つの好事例に迫る

―それでは、Twitterでの集客において、好事例があれば教えてください。

ひとつ挙げられるのは、私がお手伝いさせていただいているマッサージ屋さんの集客が増加した事例です。このアカウントでは、最低限の投稿しか行っていないのですが、実際にお客さんが来店した際に、思わず写真を撮りたくなる、投稿したくなるような仕掛けを、店舗のいたるところに施しているのがポイントです。たとえば、内装がとても可愛かったり、待合室に「投稿してくれたら〇〇円引きです」というポップを置いたりすることで、お客さんが積極的に口コミを投稿してくれるようになるんですね。このマッサージ屋さんの場合、その口コミが話題となり、次のお客さんの来店に繋がっているため、好循環を生み出すことができている事例だと思います。

―相談が多いとおっしゃっていた、飲食店の事例はありますか?

飲食店でいうと、プロセスの発信で大きな集客につながった、夜パフェ屋さんの事例があります。先述したとおり、パフェの試作をしている様子や「お店の内装がこんな感じで出来上がってきました!」というプロセスをオープン前の段階で発信し、コメントに対しても全てリプライをしていたんです。それが、「このパフェ食べてみたい」「この可愛いお店行ってみたい」という受け手の気持ちを醸成し、オープン前からSNSで話題となり、オープン直後にはお店の外に列ができてしまうほどの盛況に繋がりました。

また、コロナ禍の好事例でいうと、緊急事態宣言下の休業中もアカウントを動かし続けることで、再オープンした際タレントさんの来店に繋がり、話題喚起に繋がったものがあります。自粛期間中で、お店がオープンしていない中、何を発信していいかわからない店舗さんや、発信を止めてしまった店舗さんは多かったと思います。同じようなことで悩まれていた店舗さんには、お店を掃除している様子や、メニュー開発をしている様子など、「とにかく何かやっているならそれを発信していくべき」というアドバイスをしていました。結果として、この店舗では細かな発信がタレントさんの集客に繋がりました。営業していないからこそ、自分たちが何をしているのか見せられる場所は少ないと思うので、今後、もし似たような状況で困った際は、発信し続けることを意識してほしいです。

―さいごに、岳野さんの今後の展望などがあればお聞かせください。

私の強みは、マーケティングでさまざまなモノ・コトの認知向上を図ることや集客をすること、イベントの企画・運営をすることなので、今後はこの経験を活かして「まちづくり」に携わっていきたいと考えています。地域の情報を正しく発信できるような媒体をつくり、その認知を広めていく。面白いのに埋もれてしまっている店舗さんを、応援できるような活動をしていきたいですね。


\岳野 めぐみさん 著書発売中!/

世界一やさしい Twitter集客・運用の教科書 1年生
出版:ソーテック社
価格:1,628円
全国の書店やAmazonにて好評発売中

本書は、高額な運用代行やコンサルティングに誘導するよりも、もっと手軽に正しい使い方を知ることができる教材を作ろうと、私が持っているノウハウを惜しみなく書き起こした内容です。基本的な使い方は他の本にもたくさん書かれていますので、ここでは「Twitterで集客に繋がる内容」を実際のツイート事例を使用しながらわかりやすく具体的に説明しています。
集客のための運用でお悩みの方は、ぜひお手にとってみてください。

関連記事

  1. 顧客体験をデザインしファン増!川崎ブレイブサンダースがSNS×リアルで実践するマーケティング戦略

  2. 新型コロナウイルスがテレビ制作現場に与えた影響とは?ディレクターが語るリアルな実情

  3. メディアに好かれるPRマンの特徴とは?大学生情報メディアNo.1『マイナビ学生の窓口』編集長に訊く、メディアリレーションの極意

  4. 放送55周年で見えたラジオサブスクの意義。リスナー待望『ANN JAM』実現の裏側に迫る!

  5. アンバサダーと築く“Win-win”な関係。ワークマンのマーケティング戦略とは

  6. 今見直される「テレビだけが持つ価値」とは?業界歴40年の社長に訊くテレビの変遷と未来

  7. テレ東印のドラマはどう生まれる?あえて“流行りに乗らない”ドラマづくりを紐解く

  8. 地方創生はマネされるほど良い?地域の取り組みを全国に広めるためのストーリー設計