ウェブPRとは?ウェブメディアを活用したプロモーションを行う方法

スマホの普及によって、ネットの影響力が大きくなっている現代。昔ではテレビや紙媒体が圧倒的なパワーを持っていましたが、今やマーケティング業界では「ウェブを制するものはビジネスを制す」と言われるほど、ウェブメディアへの注目度が高まっています。本記事では、ウェブメディアを活用したプロモーションを行うメリットから、ウェブPRの基礎知識までわかりやすく紐解いていきます。

ウェブPRの概要

ウェブPRとは、企業の商品やサービスの情報を、ウェブメディアにニュースとして取り上げてもらうPR手法のことを指します。現在、日本国内だけでも2,000近いウェブメディアが存在しており、それだけ掲載されるチャンスが多く、マスメディアよりも実践しやすいのがウェブPRの特徴です。

記事広告(タイアップ)との違い

よく「PR」と記載されているスポンサー記事を目にしますが、これらは企業がお金を払ってメディアに書いてもらっている記事であり、広告の一種です。「PR」の記載があるため非常にややこしいですが、ウェブPR活動のゴールは、ウェブメディアが自主的に情報を取り上げてくれるように仕向けること、つまりオーガニックの記事掲載を獲得することであり、記事広告の掲載とは意味が異なります。

また記事広告の場合は企業側にも編集権がありますが、オーガニックの記事の場合は企業側から「このように書いて欲しい」と完全に指定することは基本的に不可能です。この場合ウェブメディアからのお金の請求はなく、あくまで一つの情報として記事化されます。

プロモーションにウェブメディアを利用するメリット

なぜ今「ウェブを制するものはビジネスを制す」と言われるほど、ウェブが注目を集めているのでしょうか。続いてウェブメディアの特徴から、ウェブPRを行うメリットについて解説します。

1. 情報量の制限が少ない

テレビ番組などの場合、商品やサービスを紹介できる枠は限られています。それに対してウェブメディアは、1日に掲載する記事数の目安は決められているものの、そのメディアに親和性の高い情報であれば、普段の記事公開数を超えている場合でも記事掲載が出来るため、情報量に対して柔軟な対応が可能です。

また読者が分かりやすいように、画像や動画を載せられるため、発信したいコンテンツをそのまま届けることが出来ます。

2. スピード感と拡散力がある

3か月ほど前から企画が決まっていて、編集に時間がかかる雑誌と異なり、ウェブメディアはその場ですぐにコンテンツを作成し、公開することができます。そのため、イベントが行われた数時間後にはイベントレポートが上がっていたり、情報解禁日の前日に配信したプレスリリースが、次の日には記事化されていたりなど、情報の発信が非常にスピーディーです。

また臨機応変に情報のやり取りができるだけでなく、短時間で爆発的に情報が拡散されるので、一気に「流行感」を創出できることもウェブメディアの特徴です。ウェブメディアの記事がSNSで拡散されることは多く、マスメディアよりもバズを起こしやすいメディアであると言えます。

3. ユーザーとの距離が近い

生活者は自宅、移動中の電車内、仕事場…など、どこでも閲覧することができるため、最も接触機会の多いメディアとなります。また生活者は、「能動的に自分の知りたい情報を探す」場合にウェブメディアを活用することが多いため、情報に対して受け身の状態の時よりも、より関心が高い状態で情報に触れることが出来ます。

4.ターゲット層を狙って情報発信できる

ウェブメディアはその数が多い分、マスメディアと比較してよりピンポイントのターゲットを狙っているものや、ペルソナが具体的になっているものが多いです。そのため、購読者層が商材やサービスのターゲット層と一致するメディアを狙ってPRすれば、ダイレクトにその層に情報を届けることができます。

ウェブメディアに関するより詳しい情報は、『ウェブメディアの種類とニュース流通構造』の記事をご覧ください。

ウェブPRの流れ

図1:ウェブPRの流れ

それでは実際にウェブPRを行う際の、具体的なフローをご紹介します。

1. プレスリリース作成

メディアに掲載されるために、媒体の特性を考慮して、プレスリリースの作成を行います。プレスリリースの作り方については、『プレスリリースの構成と組み立て方』こちらの記事をご覧ください。

2. メディアリスト作成

プレスリリースの配信先となる、メディアのリストを作成します。この情報を取り上げて欲しい、もしくは取り上げてくれそうなメディアはどんなメディアか、プレスリリースの配信先として最適なメディアをピックアップし、リスト化しておきます。

3. プレスリリース配信

ワイヤーサービス(プレスリリースをメディアに配信し、サービス事業者のウェブサイトや提携メディアに掲載する広報通信サービス)を活用することで、必要最低限のメディア露出を確保できます。さらにプロモート活動も行うことで、より多くのメディアへの掲載確度を高めることができます。

ウェブPRは、以上の手順で行います。プレスリリース配信やプロモートを行う際は、情報を公開するタイミング(情報解禁日)のレギュレーションをしっかり握っておくことを心がけましょう。ここを曖昧にしてしまうと、情報解禁前に公開されてしまうなど、トラブルを招く原因となります。メディアからの信用を損なわないよう、細心の注意を払いましょう。

ウェブメディアに刺さりやすい情報のポイント

図3:ウェブメディアに取り上げられるための8つのポイント

ウェブメディアにアプローチする際、ただ情報提供するだけではなく、上記の8つのポイントを押さえて文脈づくりを行うことで、掲載の確度を一気に高めることが出来ます。

特に、⑤の「1ワード1ビジュアルで伝わる情報」は重要なポイントです。ウェブ上でたくさんある情報の中からクリックされるには、シンプルで分かりやすいもの、そしてパッと見ただけでも興味をそそられるような、インパクトのある見出しとビジュアルが必要不可欠です。いくらその情報自体が良いものでも、この要素がないと情報の魅力が伝わりにくくなってしまいます。メディアもいかに多くの読者に読んでもらえるか、ということを重要視しているため、私たちも常に意識しておきたいポイントです。

ウェブPRを行う前に、ウェブメディアへの理解を深めよう

ウェブメディアに向けてPR活動を行う場合、メディアの特色ごとに適したアプローチ方法を考えなければなりません。そのため、まずはウェブメディアを熟知することが非常に大切です。しかし冒頭でもご紹介したように、ウェブメディアの数は日本国内だけでも1,000以上。それぞれがどんなメディアで、どんな情報を取り上げているかを把握しようとすると、いくら時間があっても足りないことになってしまいます。膨大な量のウェブメディアに立ち向かおうとせず、まずは自社商品やサービスのターゲット層が、普段どんなウェブメディアを見ているか把握し、そのメディアに狙いを定めてPR活動を行っていくことが重要です。

さらに大きな成果や、様々なメディアに取り上げてもらって話題化させたい場合は、メディアとのリレーションを持つPR会社に依頼するのも一つの手です。プレスリリース作成やプロモートの代行だけでなく、どの情報をどのタイミングで出せば、より多くのメディアに取り上げられるか、マーケティングや広報全般のコンサルティングも行います。いまのPR活動に効果が感じられない、また何から始めれば良いかわからないというご担当者は、ぜひ一度ご相談ください。

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