時代の変化とともに注目されるようになった「テレビPR」について、本記事ではその概念と実践方法まで詳しく解説します。
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テレビパブリシティとテレビCMの違いとは?
『テレビPRとは?影響力の大きいテレビPRとテレビCMの違い』の記事でもご紹介したように、「テレビPR」とは、お金を払って広告掲載する「テレビCM」とはまったく意味が異なります。
たとえば飲食店であれば、いま話題のお店としてグルメ系番組内で紹介されたり、注目の新店舗として朝の情報番組で取り上げられたりすることがあります。街中の飲食店でも、壁に「〇〇で紹介されました!」という貼り紙がされているのを、一度は見かけたことがあると思います。これらのように広告としてではなく、1つの情報としてテレビ番組内で紹介されることを「テレビパブリシティ」と呼びます。
スマホやSNSが普及して時代が変化したことで、現代の生活者は広告のうたい文句をそのまま真に受けないようになり、広告よりも「誰かのお墨付き」や「クチコミ」を重視するようになりました。この変化によって、テレビCMという広告枠ではなく、いかにしてこの「テレビパブリシティ」を獲得して、「テレビで取り上げられた」というお墨付きを得られるかが、企業プロモーションの最前線で働く人々の課題となっています。
テレビパブリシティを獲得するために必要なテレビPR活動
しかしテレビで取り上げられたいと思っても、それを広告のようにお金で買い取ることはできません。そこで必要なのが、「テレビPR」活動です。テレビPRは、ふだんネタ収集を行っている番組担当者に対して、プレスリリースやプロモートシート(番組向け企画書)を持ち込むことで情報提供を行い、番組内で取り上げてもらえないか交渉する活動になります。
お金を払えば取り上げてもらえるというものではないため、どれだけテレビPRを行っても、なかなか取り上げてもらえないということは多々あります。しかし逆に言えば、テレビPRが上手くいってテレビに取り上げられたとしても、テレビ局からのお金の請求は一切ないため、テレビCMよりも圧倒的に高い費用対効果が得られます。正しく情報提供を行って、パブリシティ獲得に繋がるテレビPRを行いましょう。
またテレビPRで効果を得られるのは、店舗や商材だけではありません。大学教授や医者などの人物でも、番組内のコメンテーターとしてキャスティングしてもらうことで、自らのビジネスを成功に導くことができます。テレビPRの効果については、『テレビPRで売上前年比500%UP?!気になるテレビ効果とは』をご覧ください。
テレビPRを実践するには?テレビ局に情報提供を行う2つの方法
テレビパブリシティを獲得するためのテレビPRには、「プレスリリース」と「プロモートシート」の、大きく2つの方法があります。それぞれ説明していきましょう。
1.プレスリリース
紙媒体やWEBメディアと同じように、テレビ局に対してもプレスリリースを作成・送付します。しかしテレビ局と一口に言っても、局や番組、さらにはコーナーによって求めている情報は様々であるため、情報提供先となる局・番組の選定と、それぞれに適した情報を書き分ける必要があります。そのため、いきなりプレスリリースを作成しようとするのではなく、局や番組ごとの特徴を分析したり、情報を差し込めそうなコーナーを選定したりと、番組に関する情報を先にインプットすることが大切です。
2.プロモートシート(企画書)
ニュースなどの最新情報を扱うような部署には、上記のプレスリリースを送ることになりますが、ご存知の通り、テレビが報じるのはニュースだけではありません。主婦や若年層をターゲットとしている情報番組や夜のバラエティ番組は、視聴者に喜ばれる特集をよく組みます。そういった番組に向けては、単なる最新情報や商品単体のみを紹介したプレスリリースよりも、番組内の企画ごと考えてしまうプロモートシートを持ちかけることが効果的です。その番組のターゲット層が喜びそうな、つまり視聴率を獲得出来そうな企画を提案することがマストです。
例えば主婦層をターゲットにした番組であれば、時節性と関連する驚きの最新データや、オピニオンリーダーによる豆知識解説を交えながら、その季節に役立つ〇〇術を紹介する企画などが考えられます。ここでもまた、いきなりプロモートシートを作ろうとするのではなく、番組やコーナーごとの特徴を研究することが必要です。
テレビPRでの情報提供の仕方
プレスリリースやプロモートシートを作ったとしても、それを受け取ってもらえなければ意味がありません。それでは番組担当者へのアプローチはどのように行えばいいのでしょうか?
メディアへのアプローチ方法は、大きく①訪問②メール③FAX④電話の4つになりますが、テレビPRにおいては、直接情報を受け取ってもらえる「①訪問」が一番おすすめです。
しかし訪問して資料を手渡しし、直接説明するのがベストであるとは言え、相手との信頼関係ができるまではアポイント取りに苦労します。さらに番組スタッフは常に忙しく、ゆっくりネタの相談や情報紹介をする時間はありません。相手の状況に合わせて、最新情報や企画のポイントをいかにわかりやすく、かつ簡潔に伝えられるかが重要になります。
テレビ局の職種とアプローチ方法
番組制作にかかわるスタッフには、様々な職種と役割があります。番組によって職種ごとの役割や呼び方は様々であるため、誰にアプローチすべきかを一概に言うことはできませんが、まずはテレビ局内の体制について理解しましょう。
- プロデューサー
番組制作の責任者であり、企画・構成・予算・キャスティング・外注・労務などの総合管理を行います。 - ディレクター
映像制作演出に直接かかわる、実務レベルの役職です。 - AD(アシスタントディレクター)
ディレクターの補佐としての役割を持ち、番組制作にかかわる様々な業務を担います。経験は浅いですが比較的アポは取りやすく、プロデューサーやディレクターが忙しい場合に資料を代わりに渡してもらうことも可能です。
上述したように、番組ごとに各職種の役割や企画の決定権の所在は大きく異なります。そのため初めから狙いを定めてアプローチするよりも、まずは誰か一人の番組担当者とリレーションを深め、アプローチできるようになってからそれぞれの役割をヒアリングすることが効率的です。
正しくテレビパブリシティを理解し、効果の高いテレビPRを
ここではテレビパブリシティの概念と、大まかなテレビPRの手順について解説しましたが、テレビ局への情報提供はテレビ局内の体制や番組内容への理解、またある程度のリレーションがなければ、ゼロから始めるには正直ハードルの高い活動でもあります。時間や専任の担当者を用意できない場合は、毎日誰かがテレビ局に出入りしているPR会社に依頼するのも1つの手です。
テレビパブリシティに対する正しい理解を持ち、あなたも高い費用対効果が得られるテレビPRにぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
