メディアと読み解く注目のサステナビリティトピックス|竹山 栄太郎

日々、サステナビリティな情報に触れているメディアやフリーライターの方々へインタビューを行う連載『メディアと読み解くサステナビリティトピックス』。第3回目は、朝日新聞『SDGs ACTION!』編集部 副編集長の竹山栄太郎さんにお話を伺いました。

朝日新聞『SDGs ACTION!』編集部 副編集長 竹山 栄太郎
2009年朝日新聞社入社。以来、主に経済部にて、トヨタグループや安倍総理の総理番等を担当。その後、経済記者時代から関心のあったSDGsを専門的に取り組みたいという想いから、2021年より朝日新聞社のウェブメディア『SDGs ACTION!』に従事。現在は副編集長として、取材・編集・執筆だけでなく、サイト運営も行う。
株式会社マテリアル ブランドプロデューサー/Eagleメンバー 山口 健太
大学卒業後に新卒でマテリアルに入社。通信キャリアやお菓子メーカーなど幅広いクライアントに従事、プロデューサーとして、発表会や調査PRなど様々な施策のプロデュース業務を遂行。国内外幅広いリレーションを活かし、2020オリンピックマスコットネーム発表会を担当。​2022年9月からブランドプロデュース2局のシニアマネージャーに従事。また、マテリアルのサステナビリティプロジェクト・Eagleのメンバーとしても活動を行う。趣味はサッカー。

竹山さんの取材・執筆時のポイント
①消費者や企業の方にとってアクションのヒントとなる情報をご提供
『SDGs ACTION!』は、SDGsに関連する取り組みの紹介、経営者やキーパーソンとなる担当者への取材、用語の解説等を掲載しており、主に企業のSDGs担当者、サステナビリティ担当者、SDGsに関心のあるビジネスパーソンの方をターゲットにしています。そのため、多くの企業が取り組んでいる、食品ロスやプラスチック問題などの環境系記事や、ニュースで話題に上がっているSDGsのキーワード解説をメインに掲載しています。また、たとえば「SDGsの○○の課題っていまどうなってるんだっけ?」「○○の課題は、こんな風に活動してみたらうまくいくのではないか」というニーズに応えるため、いま需要がある情報を届けることを意識しています。

②質の高い記事となるよう、新聞記者の視点で3つのポイントを心掛ける
日々いただく情報は、新聞記者の視点から「企業ならではの取り組み内容となっているか」を踏まえ、精査し取材・執筆を行います。精査のポイントは3つあって、まず1つ目は「SDGsとの関連性」です。17の目標のうち、どのカテゴリー・ターゲットに当てはまるのか、SDGsウォッシュになっていないかを確認します。2つ目は「企業の本業とマッチしているか」。突発的な活動ではなく、企業の本業を通じてSDGsに貢献しているかは、持続的な活動にするうえでも重要なポイントです。そして3つ目は「社会性・独自性があるか」です。社会全体におけるインパクトがあるかという指標のひとつとして、「CO²削減効果」や「女性管理職比率」などの具体的な数値があるかどうかは、注視しています。加えて、その企業ならではの取り組みと言える要素があるかも重要なポイントです。

竹山さん注目のサステナビリティトピックス
DE&I
新聞記者時代に、児童虐待や認知症の方の介護殺人などの事件を担当する中で、ソーシャルインクルージョンという言葉を知りました。社会的包摂とも言われますが、私は、SDGsの「誰一人取り残さない」という部分にもつながると思うんです。最近は企業の間で、インクルージョンとダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)を合わせた「DE&I」を掲げる例が増えています。「どんな人にとっても働きやすい・生きやすい環境を作っていこう」という活動をされている企業・人に、個人的には注目をしています。

サーキュラーエコノミー
作る・使う・捨てるのではなく、捨てたものがまた次の生産につながっていくように、循環させる経済の仕組みを作っていく取り組みのことをサーキュラーエコノミーと言います。まずは、商品のデザインの段階で、ゴミが出ない設計にすることが重要です。それに加えて、最近の動きとしては、花王さんとライオンさんが、使用済みつめかえパックを協働で水平リサイクルしたり、ペットボトルリサイクルに向けて啓発活動をしたりするなど、廃棄物の回収から再生の部分で、今まで競争関係にあった企業同士が、環境をよくするために協力し合う取り組みが面白いなと思います。他にも、エシカル消費やウェルビーイング、脱炭素にも注目しています。

竹山さんの気になった企業の取り組み
株式会社LIFULL『FRIENDLY DOOR
これは、外国籍の方やシングルマザー、シングルファーザーの方、LGBTQの方といった“住宅弱者”に対して理解があり、相談に応じてくれる不動産屋さんを紹介してくれるサービス。今後、『FRIENDLY DOOR』のような、社会的に弱い立場に置かれている方々を支援していく商品・サービスは増えていくと思うので、注目していきたいです。


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