メディアと読み解く注目のサステナビリティトピックス|小澤 健祐

日々、サステナビリティな情報に触れているメディアやフリーライターの方々へインタビューを行う連載『メディアと読み解くサステナビリティトピックス』。第4回目は、『SDGs CONNECT』編集長の小澤健祐さんにお話を伺いました。

『SDGs CONNECT』編集長 小澤 健祐
SDGs専門メディア『SDGs CONNECT』を立ち上げ、編集長に就任。SEO展開の戦略を担うほか、これまでに100社以上のSDGs担当者にインタビュー。2021年11月には東京都が推し進める気候危機行動ムーブメント「TIME TO ACT」のアンバサダーにも就任。
株式会社マテリアル ブランドプロデューサー/Eagleメンバー 黒瀬 和美
2014年に新卒採⽤で株式会社マテリアルに⼊社。⼊社以降、AEとしてナショナルクライアントだけではなく、地⽅の企業や⾃治体案件までジャンルや業種を問わず幅広いクライアントを担当。現代社会が抱えるSDGsの様々な問題に対してZ世代が⾃発的に⾏動できる仕組みを共に作り上げていくプロジェクト『SDGzプロジェクト』と⽴ち上げにも携わる。また、マテリアルのサステナビリティプロジェクト・Eagleのメンバーとしても活動を⾏う。趣味はサウナ。

小澤さんの取材・執筆時のポイント
国内最大級の企業のSDGs事例メディア
国内企業のSDGs担当者を取材するメディアとしては、国内最大級と自負しています。扱うテーマは、よくメディアで取り上げられる環境やジェンダーといった課題に限らず、17の目標すべての項目をバランスよく見て、企業と社会全体を繋げていくような取り組みを重要視しています。前提として、私たちはすべての会社が何かしらの課題を解決していると思っているので、いわゆる一過性のキャンペーンなどではなく、地道に企業活動をしている事例を中心に発信しています。読者には、SDGs担当者の方が多くいるので、社会課題を明記して、「企業がどのような強みを活かしてその課題に取り組んでいるのか」という視点で執筆する記事が多くなっています。

小澤さん注目のサステナビリティトピックス
パーパスに紐づいた、SDGsへの取り組みと体制構築
企業のSDGsの進め方には2つあります。ひとつは、広報IRや人事、事業企画などを1つの部署完結で行うケース、もうひとつは、さまざまな部署でプロジェクトを組むケースです。後者の方が、うまくいっているケースが多いように感じます。SDGsは、会社のパーパスをもとに、どのような取り組みを生み出していくのかを考えなければならないため、社内横断が必要不可欠。その場合、組織の上層部が指揮をとり、足取り軽く進行することが成功のポイントとなるんです。逆に、ひとつの部署単位では、取り組みをやっているという発信だけに留まってしまうことがよくあります。

担当者が社内でESG推進プロジェクトをつくり、さまざまな部署の方を巻き込んで、爆速でESGを社内に浸透させたオートバックスセブンさんは、「体制づくり」という面で、とてもいい事例だと思っています。1年で0→1の体制をつくっただけでなく、そこからKPIを立てて、どう社内を巻き込むかに注力したことが、成功ポイントとなったと感じます。

小澤さんの気になった企業の取り組み
私たちも何度か取材して注目しているくら寿司さんは、企業理念として「食の戦前回帰」を掲げています。流れる寿司にカバーを付けたり、船の網にかかった魚をすべて買い取る「一船買い」という取り組みを行い、漁師と良い関係を構築することでビジネスサプライチェーンを安定させたり、取り組みがすべて企業理念に紐づいています。すべての魚を寿司にはできないため、センターで養殖の餌にする、サイドメニューにするなど、どのように魚の循環を作っていくのかをとても考えていらっしゃるんです。著しい事業の成長も、このような取り組みが裏側にあるからだと感じますね。また、DXも活発で、データ分析から1分後と15分後の寿司の需要予測をして、排気量を調整する活動も行っています。


\小澤さんの執筆記事・担当コンテンツはこちら/
【特別インタビュー前編】1年でESG、SDGsを全社に浸透|すべてのマテリアリティのKPI策定にも取り組むオートバックスセブン
漁師との共存共栄、素材の100%活用、フードロス削減の徹底|全社で海洋資源を守るくら寿司
くら寿司100%出資のKURAおさかなファーム設立|「スマート養殖」で人手不足解決や、国内初のオーガニックフィッシュを生産

関連記事

  1. サステナブル先進商社から学ぶSDGsとの向き合い方。賛同者を巻き込むコミュニケーションとは

  2. 地方創生はマネされるほど良い?地域の取り組みを全国に広めるためのストーリー設計

  3. “変化”を“当たり前”まで昇華する。59種類の栄養素がバランスよく含まれたスーパーフード・ユーグレナが多くの認知を得られたワケ

  4. メディアと読み解く注目のサステナビリティトピックス|竹山 栄太郎

  5. 地域活性のカギは“地域の協力者”を増やすことにあり!保存版シティプロモーションの手引き

  6. 生活者に支持されるジャーナリズムとは?読者+社会と繋がる「あなたの特命取材班」の挑戦

  7. 市民の半数以上が“尼崎の印象アップ”を実感!注目のシティプロモーション『あまらぶ大作戦』に迫る

  8. メディアと読み解く注目のサステナビリティトピックス|下谷 航希