平成初期の1980年頃~1995年頃の間に生まれ、上の世代とは大きく異なる特性や価値観を持つ、「ミレニアル世代」。“アグレッシブでパワフル”と言われるミレニアル世代の存在は、次世代を担う者として世界から注目されていますが、時代の狭間でもがくミレニアル世代の人々にも、”悩み”や”迷い”がたくさんあるのです。そんな日本の悩めるミレニアルズは、いまどのようなことに関心を持ち、世界のどのようなところに目を向けているのでしょうか?
今回は、連載企画『メディアのホンネ』第4弾として、知的好奇心の高いミレニアルズをターゲットとした、ビジネスインスピレーションメディア『AMP』を立ち上げ、昨年末まで共同編集長を務めていた、現電通パブリックリレーションズの木村和貴さんにインタビュー。日本のミレニアルズをターゲットとする企業は、どのようなポイントを押さえたサービスやコミュニケーションを展開すべきなのか、そのヒントになるお話しを伺いました。
日本のミレニアル世代はどんな生き物なのか
“王道のX世代”と“多道のZ世代”の中間に位置するミレニアル世代
ーミレニアル世代のビジネスパーソンを読者ターゲットにされているメディアとして、日本のミレニアル世代の生態をどのように分析されていますか?
本日のお話は全て個人的な仮説や見解になるのですが、まず、ミレニアル世代よりもひとつ上の世代である“X世代”には、いわゆる「王道」がありました。例えば、いい大学に入って、大手企業に就職して、終身雇用で定年まで働き続けること。このような「王道」コースが存在していて、それを誰もが目指したり良しとされていたりする社会であり、みんなが同じ価値観を植え込まれていました。
次に、ミレニアル世代よりもひとつ下の世代である“Z世代”を見ると、社会や価値観が「王道(おうどう)」から「多道(おおどう)」に変化しています。これは、”道が多い”ということを表すオリジナルの言葉なんですけど、これまでの王道コースのように決まった道ではなく、いろんな選択肢や道が認められていて、それぞれが自分の好きな道を進めばいいという、価値観の多様化が尊重されていることを意味しています。
そして、この「王道」と「多道」の狭間にいるのが、まさにX世代とZ世代の間にいる、ミレニアル世代(Y世代)です。ミレニアル世代には、「王道」と「多道」の価値観を持った人が混在していて、大人になるまで「王道」の教育を受けて生きてきたけれど、社会が多様化していく中で、やっと「王道」に疑問を持てるようになって「多道」にいく人と、X世代と同様の価値観を持っていて今も「王道」を大切にしている人がいます。
しかし、その一方でいちばん困っているのは、価値観としてこの「王道」と「多道」の狭間にいる人々です。これまで「王道」の教育を受けてきたのに、いざ自分の人生の選択するとなったときに「多道」の価値観を示された結果、何を選び、どの道に進むべきかがわからなくなってしまう。そんな人が、ミレニアル世代には存在しており、少なくありません。
ー狭間で迷子になっているミレニアル世代にとって、「王道」の価値観を持っている“親”の影響も大きそうですね。なかなか思い切って「多道」に踏め込めないと言いますか。
そうですね。ミレニアル世代では、大手企業などからフリーランスに転身するような人が増えてきていますが、実際に「多道」を主張できている人はまだまだ少ないと思います。かといって、THE「王道」を進めている人も多くはありません。それぞれが2割ずつぐらいだとしたら、残りの6割が、これから「王道」と「多道」どちらの人生を進むべきかで、ぼんやりしてしまっている状態だと思います。
調査記事などを作成する中でも、調査データとして仕事に対して「給料よりもやりがい」を求めているミレニアルズが増えていることは事実ですが、実態としてはやはり、まだ「給料が高いほうがいい」と思っている人が多いです。ミレニアル世代の価値観は混在しているので、王道時代と比較して相対的に見れば、やりがい重視の世代になってきていると言うことはできますけどね。これがZ世代になると、より顕著に「やりがい」や「生き方」の話になってくると思います。
ミレニアル世代の関心ごとと学習意欲
ーAMP読者をはじめ、そんなミレニアル世代の人々は、どのような情報に興味関心を持っているんですか?
ミレニアル世代にとって、どういうスキルがあると、どういう未来が切り開けるか?そんな情報はとても重要です。なぜなら、これから「王道」から「多道」に社会変化するに連れて、”個人としての意思や行動”が大切になるので、「個」として何がしたいかや、どんなスキルがあるかが重要になってくるためです。
これまで「王道」の船に乗っかっていた人には、「多道」の中から自分が進むべき道を選ぶ基準も、操縦するテクニックもありません。それに対する焦りから、これからの長い人生のために今からでも新しいことを学ぼうと、再出発する人が多いということを表していると思います。昨年、AMPでよく読まれていた記事ジャンルの上位に入っていた一つとして、学習系の記事がありました。
ー特にどのジャンルのスキルが人気を集めているように感じますか?
学習のジャンルで言うと、英語、プログラミング、プレゼンスキル、数学的思考、このあたりですかね。ミレニアル世代は、同時にデジタルネイティブ世代でもあるので、世界中のどこにでも情報アクセスでき、またいくらでも繋がることが出来ます。また、ふだん使用しているGAFA(現在の世界で最も影響力があると言われる、Google、Apple、Facebook、Amazonの総称。)やネットフリックスなどのサービスも、すべて海外のものなので、必然的に海外志向になってくるのだと思います。
さらに下のZ世代になると、こちらはもう意識付いたころからデジタルを通じて世界中と繋がっているので、より海外と同じ感覚を持っていると言えます。
世代間ギャップを埋めるために欠かせない“数学的思考”術
ー4つ目の数学的思考というのは、具体的にどのようなものでしょうか?
記事の中では「数会話」として取り上げられているテーマなのですが、数学的思考で行うコミュニケーションのことを指し、定量化してものごとを会話することにより、漠然としたコミュニケーションにならず、ロジカルな会話ができるというものです。(AMP参考記事『数字嫌いでも仕事でも結果を出すためには。数学的思考を養う「数会話」』)
ミレニアル世代では、個人個人の「感覚」が非常に重要になってきていて、みんながそれぞれ異なる「感覚」を持っています。それに加えて、上のX世代との間にも価値観の違いがあるため、感覚や価値観の異なる人たちが、個人的な意見だけでコミュニケーションを取っていると、話が着地しなくなってしまいます。
そこでビジネスとしては、ロジカルにコミュニケーションできるスキルを持っていると、世代や価値観が合わなくてもスムーズに会話できるため、非常にアドバンテージとなるわけです。お互いの落としどころを作っていくために必要なのは、共通のルールであり、ロジカルなコミュニケーションは、価値観や世代の違いを繋ぐ共通言語となります。
また、この数学的思考は会社の方針決めなどの場面でも役に立ちます。明確な会社のビジョンやコンセプトをしっかり言語化しておくことで、目指すべきゴールが明確になるので、その結果を出すためにすべきことを「数式化」することができます。個人の”なんとなく”という感覚ではなく、ロジカルに設計された数式がひとつあるだけで、スムーズなコミュニケーションが可能になり、社内の世代間ギャップを埋めて、意思決定や意識統一を図ることができるのです。
日本と世界のミレニアル世代の違い
人口規模で圧倒される日本のミレニアルズ
ー日本と海外のミレニアルズで、共通している点や異なる点はありますか?
海外のミレニアルズと同じ部分で言うと、今までの世代とは大きく異なる、新しい価値観を生み出す最大の要因となった、「デジタルテクノロジー」が始まった世代であるところですね。SNSやYouTube、またNetflixなどといった動画サービスが普及したことで、世界中で同じコンテンツが同時に消費されるようになり、世界が繋がりました。また、「王道」から「多道」への転換を生み出し、新たな価値観をたくさん持つようになった世代も同じです。”いろんな道を示し始めた世代”である点が、全世界のミレニアルズの共通点であると言えます。
反対に、日本と海外で決定的に異なるのは、ミレニアル世代の人口規模です。世界的に見ると、アメリカや中国をはじめ、全人口の3分の1を占めているのがミレニアル世代であり、これからの時代を作るいちばんエネルギッシュでパワフルな存在として注目されています。特に海外のミレニアルズは革新的で、彼らが新しいことを言い始めることで新しいものが生まれていくため、決して無視することのできない存在であり、世界で見ても相当な影響を与えていますよね。Facebookの生みの親であるマーク・ザッカーバーグ氏も、1984年生まれのミレニアルパーソンです。
一方、日本のミレニアル世代は、人口が少ない上に、ゆとり教育で育った世代でもあるため、上の世代からあまり相手にされてこなかったんです。日本では、ビジネスや政治の観点において、まだまだ40代~50代を中心としたX世代の影響力が大きく、ミレニアル世代の声が小さく届きにくい状態が続いています。これは、人口規模の差から引き起こされた違いではありますが、純粋に海外のミレニアル世代と比較しても、日本のミレニアル世代のパワーは小さいと言えます。
海外への憧れと自国への危機感を持つ日本のミレニアルズ
ーだから日本では「いまどきの若者は…」「昔はこうだったのに…」などと言われてしまうことが多いんですね。
加えてX世代は、日本のビッグ企業が世界をリードしていた時代を生きています。つまりX世代の人々は、日本の企業としての成功体験を持っているんです。
それに対してミレニアル以下の世代の場合、自分たちが使っているサービスや、世界的に成功している企業の多くは、日本ではなく海外のもの。そのため、ミレニアル以下の世代の自国肯定感やアイデンティティは弱まり、日本人の日本大手企業への憧れは、海外企業への憧れへとシフトチェンジしました。その結果、若い世代の人々は、マーケットが世界であるサービスや製品に憧れを抱くようになったのです。
ー海外と同じように、日本でもミレニアル世代がパワーを持つためにはどうしたら良いと思いますか?
何をしないといけないというよりも、これから自然と転換できていくと思います。というのも、ミレニアル以下の世代は、X世代よりも早い段階から世界を見ているので、むしろ上の世代が置いて行かれる時代がもうすぐ来ます。
例えば、仕事上で必要な社内ツールをデジタル化させる場合など、同じ上世代の人々の中でも、適応できる人とできない人とで別れますよね。意識の高い人であれば、年齢関係なく若い世代の価値観にもついて来れているんですよ。あとは唯一危機感を持つとすれば、社会や企業などの公の場において、ルール作りに若い世代がどんどん入っていかないと、これからの時代や価値観に適したものを作ることは難しいと思います。
2020年に輸入される海外ミレニアル的視点
ビジネスに“社会課題”を取り入れる視点
ー日本のミレニアルズでも、学習意欲の高い人々は海外のトレンドなどにも敏感だと思いますが、2020年に海外から輸入されそうなビジネストレンドで、何か注目しているものはありますか?
ひとつめは、ビジネスに社会課題を取り入れる視点ですね。海外のミレニアルズは、例えば「廃プラ」問題などのような環境問題や、個人のプライバシーに対する課題意識が高いので、世界の企業では、社会課題をビジネスに取り入れる動きがすでに進んでいます。
昨年、一部人気カフェなどの取り組みが話題になったおかげで、2020年は日本でももっとその動きが加速するのではないかと思っています。ただ、昨年日本で話題になった紙ストローも、海外では2年以上前からはじまってるので、後れを取っていることは明らかです。何か日本発で世界に広がるような取り組みが出てきて欲しいですね。
ー社会課題や環境意識と言うとSDGsが思い浮かぶのですが、SDGsに取り組む日本企業も今年で増えるのでしょうか?
SDGsは多くの国で合意がとれている目標なので、間違いなく進むと思います。でも正直、日本では今のところやり損になっている部分が多いです。これも海外と日本のミレニアルズの違いのひとつなのですが、日本のミレニアルズは、海外と比較して社会意識が低い傾向にあります。だから、消費者がもっとSDGsに関心を持って、SDGsに配慮した商品を選ぶようにならなければ、企業のSDGs活動も進んでいかないないと思います。
あと、SDGsって「持続可能な開発目標」なので、日本が持っている課題感とは少し違う部分もあるんですよ。例えば、世界では「綺麗な水を全国に提供すること」が課題になっていても、日本はどこの国よりも「高齢化」が進んでいるので、優先的に高齢化に対するアプローチをやっていかないといけない。日本には日本独自の課題があるため、課題の優先順位が世界的な優先順位と異なるんです。
そのため、その企業の周りで起こっている身近な社会課題に対して、意識持って取り組み、それをサービスやコミュニケーションに落とし込んでいくことが、日本の企業が社会課題に取り組む際のポイントになると思います。投資や購買も、これからはどんどんそういった企業が選ばれる時代に変化すると思っています。
広告コピーやお笑いにも通じる“インクルーシブ”な視点
ー社会課題を取り入れる視点をサービスやコミュニケーションに落とし込む際に、気を付けるべきポイントはありますか?
インクルーシブな視点を持つことですね。先ほどの社会課題に対しても、日本人全体で見るとその意識はまだまだ弱いです。まだ正解が導き出されていない上に、みんなが違う立場で、それぞれ異なる考えを持っている中で何かに取り組むには、いろんな可能性があることを理解しながら、インクルーシブにコミュニケーションを図っていくことが重要だと思います。価値観の多様化によって、これまで以上に炎上リスクが高まっているので、反発者や排除者を否定しないコミュニケーションが求められています。
このインクルーシブな視点を体現しているものの代表が、2017年のゼクシイのコピー「結婚しなくても幸せになれるこの時代に 私は、あなたと結婚したいのです。」だと思います。結婚式のサービスを提供しつつも、結婚しない人々を否定せずに支えたうえで、結婚する人を応援した点がこのコピーの素晴らしいポイントであり、このような視点が今は求められています。昨年のM-1グランプリで決勝戦に進出した、お笑いコンビの『ぺこぱ』も、まさに多様性を許容している芸風じゃないですか。これまでの漫才は、固定観念でツッコミをするような芸風が多かったですが、『ぺこぱ』に代表される優しいお笑いは、今の時代だからこそウケる芸風であると思います。
このように人々に認められていたり、受け入れられているものを見ていくと、今の時代に必要なヒントがたくさん転がっています。特に大手企業などのように影響力がある企業ほど、そこに対する人々の目線は厳しくなっているので、インクルーシブな視点をちゃんと取り込んだ上で、どのようにサービスを展開し、コミュニケーションするのか。ひとつのコミュニケーションにとっても、慎重に考える必要があるでしょう。
学習に“エンターテインメント”を取り入れる視点
ーほかに2020年に海外から輸入されそうなビジネストレンドなど注目しているものはありますか?
もうひとつは、学習などにもエンターテイメントを取り入れる視点ですね。多様性がすすむ今の時代では、一方的にまじめな話をしてもなかなか聞いてもらえません。昔はみんな勤勉で、知っておくべきことを新聞などから学んでいましたが、今はコンテンツが大量化・多様化し、SNSや動画、ゲームなど様々なものがエンタメに向かっているんです。特に海外と比較して社会意識があまり高くない日本では、エンタメの割合がどんどん高まっている気もします。そこで、昔からある概念ではありますが、ゲーミフィケーションの考え方が改めて注目されています。
例えば、レベルアップしながらゲーム感覚でプログラミングを学べるプロゲートとか、英語を学習できる、台湾発のボイスチューブとか。このボイスチューブは、勉強してる人同士でコメントし合える掲示板機能があって、そこでスピーキングの投稿をするなど交流することが出来るんですよ。何かの学習をさせたい時にも、ただ勉強させるのではなく、みんなでやらせたりレベルアップしたりするような、エンタメ的な仕組みが入り込んできています。
ー企業がゲーミフィケーションを取り込んだ具体的な事例は何かありますか?
このゲーミフィケーションを企業のコミュニケーションに取り入れている代表的なものに、昨年のカンヌライオンズでグランプリを受賞した、Wendy’sの事例『KEEPING FORTNITE FRESH』が挙げられます。これは、世界的人気を誇るオンラインゲーム『フォートナイト』の世界に、Wendy’sのキャラクターであるウェンディ―ちゃんが入り込み、ゲーム上でウェンディ―ちゃんが冷凍庫をひたすら破壊しまくるというもの。
若い世代に情報を届けられるメディアがない中で、Wendy’sは「ゲーム」という新たな手法を用いて、Wendy’sが冷凍肉を一切使っていないことをターゲットに対して示しました。この秀逸さが若い世代に受け、これまでの手法では振り向かなかったであろう相手を振り向かせ、エンタメ化させることに成功したんです。(『KEEPING FORTNITE FRESH』参考記事⇒https://adgang.jp/2019/06/175302.html)学習をエンタメ化する場合もあれば、この事例のようにゲームに入り込ませる手法もあります。
大量化するコンテンツを”倍速消費”する視点
また各論に近いですが、“コンテンツの倍速消費”は意識しなければならないテーマとしてあります。5Gの後押しもあって、動画や音声コンテンツはこれからもどんどん勢いを増していきます。消費するのに時間がかかる映像コンテンツですが、それでもたくさん見ておきたい、話題についていきたい、そんなニーズがミレニアル世代にはあります。そこで、YouTubeやAbemaTVなどを1.5倍速で視聴している人が増えてきているのです。
このように倍速再生が一般化していくことに伴って、倍速再生される前提でコンテンツをつくるべきなのか、それともはじめから倍速でコンテンツを作るべきなのか、このあたりのやり方については、これから考えていかなければならないポイントですね。
あとは、動作を拘束されずに情報を得ることが出来る「音声」がコンテンツ消費の最先端であり、最後の砦ではないかと思っています。そんな音声コンテンツのひとつである『Voicy』でさえも、倍速で再生しているユーザーは非常に多いんですよ。私も昨年末にVoicyでパーソナリティ活動を始めまして、『きむかずのソーシャルデザインラボ』と題して、コミュニケーションデザインやクリエイティブ、テクノロジー、ニュービジネス、SDGsなどのお話しをしているので、ぜひ聞いてみて下さい。
多道の時代だからこそ必要なもの
ここまでX世代、ミレニアル世代、Z世代で異なる価値観についてお話しを伺ってきましたが、最後に「散々話しておいて恐縮ですが、価値観や生態を世代で切るのも実は少しナンセンスなんです」と加えた木村さん。もちろん、育った環境が世代ごとに異なるため、統計的に違いが表れることは事実ですが、一方で、世代を超えて同じ価値観を持っている人たちもいるため、本来は世代ごとにはっきりとわけるべきではなく様々な価値観を軸に考えるべきとお話ししていました。
特にミレニアル以下の世代は“多様性の世代”でもあるため、これから世代ごとに大きな特徴や生態でくくっていくことは、さらに難しくなることが予測されます。そのため、企業のマーケティングやコミュニケーションについて考える際にも、世代などといった大きな枠組みごとではなく、ひとりひとりの価値観の違いごとに着目して、ターゲットとなる生活者を分析していく必要があるでしょう。
また、木村さんが解説して下さった「数学的思考」のスキルに表されるような、世代や価値観のギャップを埋める共通言語やルールを持つこと、また多様性をすべて受け入れて包括する、インクルーシブな視点を持つことは、全世代に共通して必要なものであると言えます。個人個人が自分の価値観を自由に主張でき、自分の道も自由に選択できる時代になったからこそ、自分とは異なる価値観やマイノリティを受け入れるコミュニケーションが、企業にも人々にも求められているのではないでしょうか。
木村 和貴(きむらかずき)
電通PRコーポレートブランド・デザイン部 [経営管理学修士/MBA、上級ウェブ解析士、GAIQ]
2011年セプテーニ入社。広告運用、新規事業立ち上げ経験を経て2016年よりブラーブメディア社へジョインしビジネスインスピレーションメディアAMP[アンプ](https://amp.review)を創刊。共同編集長就任。スタートアップ、テクノロジー、カルチャーに関する取材・編集に加え、エストニア等への視察訪問、イベント登壇等でも活動。2020年1月より電通パブリックリレーションズにてコーポレートブランドデザイン部に加入。コーポレートコミュニケーションプランニングを行う。 カンヌライオンズヤングPR部門国内ブロンズ、宣伝会議賞協賛企業賞、販促会議コンペティション(販促会議賞)ゴールド、経済産業省クールジャパン大賞など受賞。Voicy『きむかずのソーシャルデザインラボ』パーソナリティ(https://voicy.jp/channel/1017)
1995年生まれ大阪育ち。2018年同志社大学卒業後、株式会社マテリアルに新卒入社。1年目でウェブメディア『PR GENIC』を立ち上げ、記事の執筆と編集全般や、セミナーの企画など、コンテンツ作りを幅広く担当。半年間ハウスメーカーのマーケティング部への出向も経験。現在はオープンイノベーション支援に従事しつつ、外部アドバイザーとして編集のサポートを行っている。