「映え」は感覚で判断しない!インフルエンサーマーケティングのKPI新指標「共感指数」とは|日経クロストレンド EXPO 2018 レポート③

これは「映える」ね、って感覚で判断してませんか?これからはインスタグラムの投稿も、数値で効果検証できるようになりそうです。

先日11月28日~29日の2日間、東京国際フォーラムにて行われた日経BP社主催「日経クロストレンド EXPO 2018」。展示会レポート第2弾『2019年の食トレンドを制するには、ミレニアル世代を攻略せよ!今後の食ビジネスに欠かせない7つのキーワードとは』に続いて、展示会レポート最終回となる本記事では、1日目に行われた『SNS広告の新指標「共感指数」がインフルエンサーマーケティングの質を向上化する』のセミナーの様子をご紹介します。

今、インスタグラムに注目すべき理由

登壇したのは、インフルエンサーマーケティングを展開する株式会社LIDDELのCEO、福田晃一氏。福田氏いわく、インスタグラムといえば20代女性がこぞって『映え』を競い合うSNS、という時代は、もう過去のものになったそうです。

これはデータにも表れており、インスタグラムのユーザー年代構成は、2017年には40代から60代が35.7%を占めるまでに成長。インスタグラムはもはや若い人たちだけのSNSではなく、多世代の人たちが利用するSNSへと変化しました。かの流行語大賞でも、2017年の大賞に「インスタ映え」が選出されたことからも分かるように、インスタグラムは全世代の認知を獲得し、ユーザーも全世代に広がってきています。

知りたいことはインスタで検索

20代のヘビーユーザーを対象とした調査では、「商品・サービスを検索する際に使用するツールについて教えてください」という設問に対して、実に84.9%ものユーザーが検索ツールとして「インスタグラムを使用している」と回答しました。これに対して福田氏は、「ビジュアルコミュニケーション特有の、直感的に認識できる画像検索が、ユーザーに求められている」と解説。また同時に、「誰かの体験・経験の投稿でできあがっているSNSという情報が、とても信頼度が高く参考になりやすい」と説明しました。

これに応じて、投稿者側も投稿内容を変化させてきているそうです。2015年頃は、ファッション誌のように自分の世界観を表現することにこだわった画像が中心でした。それが2017年になると、情報誌のようにHow toを表現して、フォロワーの要望にこたえるような投稿が増えてきたそうです。

またキャプションの投稿テキスト数も、2015年に平均55.4文字だったものが、2018年には平均120.6文字と一気に倍増。これらの変化は、インスタグラムが憧れの対象としての「画像鑑賞ツール」から、参考にするための「情報検索ツール」に変わってきたことを意味しています。

インフルエンサーマーケティングのKPI新指標「共感指数」とは?

SNSにおいて、「共感」を獲得することがいかに重要かは、改めて言うまでもありません。中でも特にインスタグラムは、ビジュアルコミュニケーションが中心であるがゆえに、個人的な感覚で投稿内容の良し悪しが判断されてしまいがちです。

福田氏によれば、「『共感』がここまで重要な要素であれば、誰であっても同じような結果になるために、業界共通の指標が必要」であり、「『共感』をKPIとして考えることが必須になってくる」とのこと。インスタグラマーに投稿を依頼したことがある人ならば、必ず入れてほしい被写体やテキスト、商品やキャンペーンのハッシュタグなど、ある程度の指示は出したことがあると思います。しかしその結果である投稿内容が、本当にターゲットに「共感」されたのか、自信を持ってこの結果を関係者全員が納得できる形で説明をすることは、とても難しいのではないでしょうか。

「共感指数」を構成する5つの要素

福田氏がCEOを務めるLIDDELでは、「共感」を構成する要素を5つに分類し、それらを掛け合わせてわかる「共感指数」を開発しました。

「共感指数」を構成する5つの要素は、以下の通りです。

  • 「影響の範囲の値」
    主にフォロワー数から算出される値。自分の投稿がどれだけの影響力を持つか、それを知らなければ、そこから得ようとする結果に対して無効であったりします。自分の発信がどれだけの影響があるか、まずは知ることが必要です。
  • 「参考の値」
    キャプションから算出される値。憧れから参考にシフトしているように、投稿の意図によっては、この値に特に注力する必要があります。
  • 「承認の値」
    主に「いいね!」やコメントといったエンゲージメントから算出される値。SNSはもちろんコミュニケーションによるメディアなので、関係構築のプロセスこそがとても重要になってきます。
  • 「印象の値」
    投稿クリエイティブから算出される値。インスタグラムはビジュアルコミュニケーションが根本にあるので、やはりこの値は見過ごせない大きなポイントです。
  • 「発見の値」
    主にハッシュタグから算出される値。ハッシュタグを付けていない投稿と、ハッシュタグを10個ほど付けている投稿では、インプレッション数に約8倍の増加があったというデータ結果もあります。検索流入のために、とても重要になってくる要素です。

この5つの要素を掛け合わせたものが、LIDDELが開発した「共感指数」となります。

「共感」は作れる

福田氏によれば、「『共感』を作り上げる各要素をしっかり算出していけば、『共感』を戦略的に作ることが可能」なのだそうです。

バッグブランド「HeM」のリブランディングを担当した福田氏は、「影響の範囲の値」にポイントを置いてアカウント運用・インフルエンサー施策・キャンペーンを実施。はじめはアカウントにフォロワーなどが少ないので、先にハッシュタグキャンペーンを実施して「発見の値」を高めました。次にアカウントにたどり着いた人に対して、セールスポイントを文字で伝え「参考の値」を高めます。続いてインフルエンサー施策で魅力的な投稿を増やし、「印象の値」を高めます。さらにユーザーとのコミュニケーションを積極的に図ることで、「承認の値」を高めます。このような行為を繰り返すことで、「承認の値」(エンゲージメント)が、「影響の範囲の値」(フォロワー)に影響してくるのだそうです。その結果、この取り組みにおいてはユーザーによる自発的な投稿が始まり、ユーザーからリブランディングが促進されていくことになったそうです。

マスメディアとは全く異なるSNSへのアプローチ

福田氏は、セミナーの締めとして最後にこう語りました。「インフルエンサーとコミュニティに対してアプローチしていく場合に、ダイレクトな結果を端的に求め、コンバージョンなど直接的な利益だけを求めていくのはとても難しいと思います。マスメディアを活用した大量情報投下のアプローチとは別物なんです」。

かつてほどマスメディアが機能しなくなってきていると言われる現代では、マスメディアとは全く異なる文脈で情報が流れているSNSコミュニティの構造を理解して、情報展開を行う必要がありそうです。

また、福田氏はこう加えました。「インフルエンサーというメディアは、ひとつひとつ意思があるんです。言うならば心があるメディアです。心があるメディアを活用したマーケティングというのは、消費では終わらず、その先にある『共感』さえも得ることができるんです。数値結果という表層部分の物理的事象では測り知れない人間関係の構築、そのプロセスの中にある心理的事象をマーケティングしていく、そういうものがとても重要になってくると思います」。

これがまさに、今インフルエンサーマーケティングが注目されている理由であり、情報過多の時代において力を発揮すると期待されているポイントなのではないでしょうか。

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