“年間テレビ露出350本超え”のアキダイ代表が語る!テレビに好まれる2つの理由

「アキダイ」と聞くと顔が思い浮かぶほど、メディアへ露出をしているスーパーマーケット アキダイの代表・秋葉弘道さん。普段からよく報道番組をご覧になる方であれば、一度はテレビで秋葉さんを見たことがあるのではないでしょうか。テレビ番組を中心に露出をする秋葉さんは、その専門性の高いコメントをベースに、たとえば、高騰している商品の分析や今後の予測など、生活者にとっては欠かせない情報を発信されています。

今回は、秋葉さんがテレビをはじめとするメディアに露出し続けている理由を学ぶため、インタビューを実施。そもそも、秋葉さんに全国各地から青果に関する情報が集まってくる背景や、テレビと良い関係値を築いていくための大切なポイントなどをお伺いしています。思わずテレビが話を聞きたくなる、秋葉さんの強みと物事に対する想いに注目です。

年間約350本のテレビ露出の裏にある、産地からのリアルな情報提供

アキダイ代表 秋葉 弘道さん


―アキダイならびに秋葉さんは、数多くのテレビ露出をされていますが、
2022年はどのくらいの露出があったのでしょうか。

昨年は、約350本程度の番組に出ました。数字だけ見ると、ほぼ毎日なにかしらの番組に出演している状況ですね。アキダイは、私が23歳の時に創業し、今年で31年目になるのですが、もちろん、当時からここまでの露出ができていたわけではありません。はじめは、メディアに相手にされにくかったですが、店舗数が増えていくにつれて、専門性の高い内容を安定して話せるようになってきたことが、依頼が増えたタイミングだったと思いますね。

アキダイは、ほとんどの商品を市場や生産者の方から直接仕入れています。そのため、生産の現場がいまどういった状況なのか、それが価格や市場にどのような影響をもたらすのかという情報が、タイムリーに私の元へ入ってくるんです。たとえば、これが仲卸業者から仕入れているお店だと、その仲卸業者を介した値段や情報がすべてで、必ずしも世の中や市場的な正値ではない。毎日約1,000万円ほどの仕入れを複数の市場から行っているからこそ、全体を俯瞰して見ることができていますし、その情報にはブレがないと感じています。

―「市場や生産者の方から直接仕入れをしている」というお店は、他にもいらっしゃると思いますが、なぜ、秋葉さんにはそこまで多くの情報が集まるのでしょうか。

テレビ露出の数と比例して、情報が集まってきているように感じます。それはなぜか。たとえば、災害などの影響で農作物がダメになってしまった時、生産者はこの状況をどこに伝えたらよいかわかりませんし、仮に発信したとしても、全国にはなかなか届かない現状があります。そこで、テレビに出演する機会をいただいている私に連絡が来るんです。

何年か前、北海道に1週間で3つの台風が上陸し、豪雨で川が氾濫。収穫間近の玉ねぎが浸水してしまう出来事がありました。その時、テレビで多くの報道がされましたが、その中で使われた画像には、現地の方から共有され、私がテレビ局に提供したものもありました。現地で起こっている情報や生産者が伝えたい想いを、“代理で伝えてくれる存在”という認識をいただいているため、積極的に私に情報をくださるのだと思いますね。そのおかげで、多くの引き出しを持つことができ、テレビ局の方にどのような質問をされても、大体お答えすることができているのではないでしょうか。

―テレビ局の方も、秋葉さんを有識者のように捉え、「秋葉さんに聞けば、的確で正しい答えが返ってくる」という安心感を感じていそうです。

そういったイメージを持っていただけているからか、ありがたいことに、農林水産省のような公的な機関から研修登壇などの依頼が来たりもします。これまでの露出実績が、信頼感の醸成に繋がっているのでしょうか。加えて、もともと「この野菜の値段が上がっているのはなぜだろう」「あの果物はいつから相場が安くなるのだろう」というような思考回路で、物事を捉えたり話を聞いたりしている点も、信頼獲得につながっているのかもしれません。市場や生産者の方から生の声を聞いていても、「なぜそうなっているんだろう?」という深堀りができなければ、たとえば、お客様に「最近、野菜が高すぎるよね」と言われても、「そうですね、高いですよね」としか返すことができないんですね。そこの差はとても大きいと思います。

テレビが話を聞きたくなる秋葉社長の強みと想い

テレビに好まれる2つのポイントとは

―秋葉さんご自身、テレビから取材依頼をされ続ける理由は、どういったところにあるとお考えですか?

テレビ局の方に好んでいただけるようなポイントが、いくつかあるからでしょうか。まず、「タイムリーかつ気軽に代表と連絡が取れる」こと。テレビは、スピードや新鮮な情報が命ですから、「いま知りたい!」と思っていることに、的確な答えを返せる人が重宝されます。私は、生産者の皆さんとお話する機会も多いので、現状の分析だけでなく「次はこうなっていくよ」という予測など、色々な切り口でスタッフの方が求めているネタをお話できていると思います。個人的な主観にならず、市場全体の観点から、テレビを見る視聴者のことまで考えて話すようにしているんです。こういった点は、大きな強みだと感じます。

そして、「即決できる」ことも、大きな理由のひとつだと思います。私は、経営者ではありますが、バイヤーでもあるし、店舗のいちスタッフでもあります。店舗に関わるすべてのことを一貫して理解しているので、テレビ局の方からご相談があった際に、すぐに判断できるんです。よく、「今から取材に行ってもいいですか?」「明日の中継をお願いしたいのですが…」といった、直近でのご相談もいただくのですが、こうした要望にも即決できることがポイントだと思いますね。

―秋葉さんならではの大きな強みですね。テレビ局の方と長期的に良い関係を築くため、特に意識されていることなどはあるのでしょうか。

たとえば、生産者の方から情報をいただいて、自分が「これは伝えたい!」と思って話していても、オンエアを見るとその部分がカットされている…なんてケースは、数多くあります。あまり取材慣れされていない方だと、「せっかく色々と答えたのにこんなにカットされているなんて!」と思われるかもしれません。ですが、長いお付き合いをしていきたいのであれば、テレビならではの特性があることを理解し、取材に対して「どこを切り取っていただいても良いですよ」くらいのスタンスで接することは、ある意味大切かもしれません。

あとは、人として当たり前ですが、常に相手の立場に立って物事を考えていることでしょうか。以前、取材が立て込んで、4つのテレビクルーが同時に来るなんてことがあったのですが、取材の調整を担ったり、各番組の都合を鑑みてやり取りしました(笑)。ちょっとした気遣いですが、テレビ局側からは感謝されることも多いですね。

テレビ露出≠店舗のPR。生活者を想った物事の考え方が多くの取材を呼ぶ

―お話を伺っている中で、「店舗のPR」としてテレビ出演されているわけではないのではと感じました。

おっしゃる通りですね。店舗のPRであればCMなどの広告を打つと思いますし、宣伝したくないわけではないですが、そのために出演しているという認識はありません。感覚でいえば、店舗でお客様に「このトマト高いけど、いつから安くなるの?」と聞かれたことに対してお答えする内容を、そのままテレビで伝えているだけ。ここに店舗への利益などの感情は生まれませんよね。

―店舗で直接お客さんに答えるか、テレビを通してより多くの人に届けるかだけの違いなんですね。

たとえば、知らない人から道を尋ねられた時、目的の場所を知っているのに、自分に得がないからといって断らないですよね。多くの方が、利益などを考えずに協力すると思います。テレビが取材をしに来るということは、世の中の多くの人が知りたがっている情報だということ。それなら、力になれる範囲でお答えしようという想いで取材を受けています。なので、基本的に取材をお断りすることもほとんどないですね。

―秋葉さんの、他者を思いやる物事の考え方が根底にあるからこそ、多くのメディアが声をかけたくなり、結果、継続的な取材に繋がっているような気がしました。さいごに、テレビ露出に苦労されている企業の皆さまへアドバイスをお願いいたします。

第一に、自分だから語れる、専門的な知識を持つべきだと思います。ただ漠然と「露出したい」という思いでアプローチするのではなく、自分の専門性とテレビが取り上げてくれる話題の接点をみつけていくことが重要ではないでしょうか。私自身は、そのために知識を入れているというよりも、業務の延長線上で情報が入ってきている形ですが、理由は何にせよ、自信をもって話せる専門性は身につけると良いと思います。しかし、単に知識を蓄えても、最初の露出を取ることは難しいと思いますし、ようやく取れたひとつの露出で、メディアに安心感や信頼感を与えられるかが肝。単発の取材で終わるか、継続的に依頼をいただけるかのラインになってくると思うので、その辺りを意識してアプローチに励んでみてはいかがでしょうか。

関連記事

  1. AI×サブスクで新しいおやつブランドを目指す。スナックミーの“ユーザー…

  2. グレーな事故物件の実態を“見える化”する。メディアを有効活用する成仏不…

  3. 買い物の新概念“応援購入”を生んだMakuakeが実践する 2軸の広報…

  4. ファンが顧客を呼び急成長。バーチャル上でリアルに近い“空間”を体現する…

  5. ピルの“強要”ではなく“提案”を。mederiから学ぶフェムテック事業…

  6. 冷凍×ITでパン業界のDXを推進。事業の提供価値をストレートに訴求する…

  7. 目指すはケーキをオンラインで購入する新習慣。業界の常識に切り込むCak…

  8. 『岩下の新生姜』社長直伝!“感謝”を形にするTwitter運用がファン…

新着記事 人気記事