まずは厳選10種!初心者でもわかりやすいネット広告の種類

これまで生活者と商材・サービスが接点を持つ場は、『4マス媒体』と呼ばれるテレビ・ラジオ・新聞・雑誌が主でしたが、スマホの普及によりインターネット上へと比重が移行。これに伴い、4マス媒体への広告展開ができなかった企業も含め、実に多くの企業がインターネット広告の展開を始めています。

本記事では、広報PR担当者が最低限把握しておくべき、代表的なインターネット広告の種類とその特徴をご説明していきます。

日本の広告費

まずは、インターネット広告のポジショニングについて紹介します。

電通が発表した「日本の広告費(2017)」によると、日本の総広告費は6年連続で前年実績を上回っています。中でもインターネット広告費は前年比115.2%と、地上波テレビの広告出稿費に追いつく勢いで増加。今後も市場規模が大きくなっていくことが予想されます。

図1:日本の広告費データ

 

インターネット広告の種類

インターネット広告は日々進化し続けており、種類・特徴ともに多岐に渡ります。全てを把握しようとするのは難しいので、ここでは大別して10種類をご紹介します。

  • リスティング広告(主に、検索連動型広告)
  • 純広告
  • メール広告
  • アフィリエイト広告
  • アドネットワーク
  • DSP
  • 動画広告
  • 位置情報連動型広告
  • ネイティブ広告
  • SNS広告

以降では、種類ごとの特徴と、利用する際のメリット・デメリットを解説していきます。

1. リスティング広告(検索連動型広告)

GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが何かキーワードを検索した際、その検索結果の上部に表示される検索連動型広告を指します。

  • メリット
    入札金額と広告のクリエイティブ次第ですぐにでも表示が可能なため、SEO対策よりも即効性がある。
  • デメリット
    検索キーワードの母数に限りがあり、表示する回数にも上限がある。

図2:ネット広告の種類(リスティング広告)

2. 純広告

指定の広告媒体に対して、決まった広告枠にテキストや画像や動画を掲載する、昔からあるネット広告を指します。

  • メリット
    ユーザーと親和性が高いサイトを指定して表示できるため、『潜在層』の商品認知に向いている。
  • デメリット
    買い切りになるため、価格が高いことが多く、効果の改善が図りにくい。

図3:ネット広告の種類(純広告)

 

3. メール広告(ダイレクトメール)

広告媒体が抱えているメルマガ会員へ対して、電子メールを使った広告手法。インターネットが普及した当初から、多くの企業に使用されているネット広告の一種です。ダイレクトメールやメールマガジンなどと呼ばれるものが、これに該当します。

  • メリット
    場所を選ばずいつでもどこでも、メールが残っている限りは広告を見てもらえる。
  • デメリット
    メールが読まれていない可能性もあり、関連URLのクリックも低下傾向にある。

4. アフィリエイト広告(成果報酬型広告)

広告を通じてユーザーがアクションを起こしたときのみに、費用が発生するネット広告を指します。

  • メリット
    ユーザーがアクションを起こすまで費用が発生しないため、費用対効果が高い。
  • デメリット
    ASP利用料(固定費)が生じるとともに、アフィリエイターによる不正行為のチェックが必要。

5. アドネットワーク

広告在庫をパッケージ化し、複数サイトの掲載面に広告を掲載するネット広告を指します。ターゲット層への広告配信(オーディエンス)を行ない、広告を閲覧したユーザーへの再掲(リターゲティング)による刈取りを行なうなど、運用力が必要となります。

  • メリット
    媒体個別の発注とならず、複数サイトに同時に広告掲載ができる。
  • デメリット
    どの媒体に広告掲載されたかが不明で、媒体ごとの効果測定ができない。

図4:アドネットワーク抜粋

6. DSP

複数のアドネットワークへの配信を、一元的に管理できるネット広告を指します。狙いたいターゲット属性に対して、リアルタイムに広告枠の入札が行える仕組み(RTB)を取り入れており、広告主側のプラットフォーム(DSP)を活用しています。

  • メリット
    媒体個別の発注とならず、複数サイトに同時に広告掲載ができる。ユーザーデータ(性別、年齢、地域などの基本情報と、検索履歴、行動履歴などの興味関心データ)を解析し、最適と判断された広告が一瞬で自動的に選択される。
  • デメリット
    どの媒体に広告掲載されたかが不明で、媒体ごとの効果測定ができない。また、広告費以外にも初期費用・手数料がかかる。

図5:DSP抜粋

7. 動画広告

動画共有サイト(YouTubeなど)で、動画視聴の開始タイミングや、再生途中に差し込まれるネット広告を指します。また純広告の枠で、動画を広告素材として活用した場合も、動画広告と呼ばれます。

  • メリット
    動画を使用することによって、テキスト以上の情報を訴求できる。また配信先の媒体によっては自動で再生され、印象にも残りやすい。※動画を利用するメリットについては、『流行りの動画をプロモーションやPRに取り入れるメリットとは?』こちらの記事をご覧ください。
  • デメリット
    見たい動画の前に再生されるため敬遠されやすく、効果測定が難しい。

図6:ネット広告の種類(動画広告)

8. 位置情報連動型広告

携帯電話などのモバイル端末の位置情報サービス(GPS)を読み取り、 ユーザーの行動圏内で店舗情報などを配信できるネット広告を指します。

  • メリット
    ユーザー行動圏内での訴求ができ、エリアマーケティングに向いている。
  • デメリット
    ターゲットの属性を細分化すると母数に限りがある。

9. ネイティブ広告

記事やフィードに混ざって、自然な形で表示される記事型のネット広告を指します。広告表記があるため、ステマ(ステルス・マーケティング…広告であることを隠して宣伝をすること)とは異なります。

  • メリット
    記事やユーザーの属性に応じた記事広告を表示するため、ユーザーのアクション喚起率が高い。
  • デメリット
    自社サービスと媒体の傾向が合いにくく、実施できる媒体数にも限りがある。

図7:ネット広告の種類(ネイティブ広告)

10. SNS広告

Facebook、Twitter、LINEなどのSNSで表示させるネット広告を指します。※SNS広告に関する詳細の情報は、いまさら聞けないSNS広告とは?』の記事で紹介していますので、こちらをご覧ください。

  • メリット
    比較的安価に実施可能。細かいターゲティングが可能で、ユーザー同士で共有・拡散が生まれる可能性がある。
  • デメリット
    ユーザーによる拡散が可能なため、コントロールが難しく、出稿後に投稿を完全に削除することができない。

図8:ネット広告の種類(SNS広告)

 

ネット広告を活用する注意点

10種類のインターネット広告のメリット・デメリットについてご紹介しましたが、必ずしも利用するネット広告を1種類に決める必要はありません。

たとえば、『リスティング広告』によって、ニーズが顕在化した顧客獲得を狙いつつ、『DSP広告』による見込み顧客を狙ったり、『動画広告』で興味喚起を促したりと、目的に合わせた広告活用ができます。肝心なのは、『どんなターゲット』に『どんな目的』でアプローチをしたいのかを明確にすることです。

ここでは数あるインターネット広告のうち10種類をご紹介しましたが、インターネット広告は新しいものが次々と登場するため、全てを把握することは容易ではありません。しかしデジタルマーケティングが活気づいている昨今、広報PR担当者としてもある程度インターネット広告の知識を身につけておけば、それはあなたの武器になります。競合企業と差をつけるためにも、インターネット広告について知見を広げていきましょう。

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