日々、サステナビリティな情報に触れているメディアやフリーライターの方々へインタビューを行う連載『メディアと読み解くサステナビリティトピックス』。第5回目は、『J-CASTトレンド』編集部にて『ナナメ読みSDGs』を担当するJ子さんとJシーさんにお話を伺いました。
『J-CASTトレンド』編集部 J子 2018年10月に入社し、以来J-CASTトレンドに在籍。19年1月からJ-CASTトレンドのツイッターアカウント担当者となり、記者による体当たり企画「J子が行く」などの各種企画を立案。21年5月より、連載「ナナメ読みSDGs」をスタートさせた。 |
『J-CASTトレンド』編集部 Jシー 2022年4月入社。J-CASTトレンドには22年7月から在籍。「ナナメ読みSDGs」は23年1月頃から、普段の記事執筆と並行して担当している。プレスリリース探しの中で、面白い取り組みを見つけて、取材に出かけることもある。 |
株式会社マテリアル ブランドプロデューサー/Eagleメンバー 黒瀬 和美 2014年に新卒採⽤で株式会社マテリアルに⼊社。⼊社以降、AEとしてナショナルクライアントだけではなく、地⽅の企業や⾃治体案件までジャンルや業種を問わず幅広いクライアントを担当。現代社会が抱えるSDGsの様々な問題に対してZ世代が⾃発的に⾏動できる仕組みを共に作り上げていくプロジェクト『SDGzプロジェクト』と⽴ち上げにも携わる。また、マテリアルのサステナビリティプロジェクト・Eagleのメンバーとしても活動を⾏う。趣味はサウナ。 |
J子さん/Jシーさんの取材・執筆時のポイント
①連載『ナナメ読みSDGs』始動の背景は、「もっとSDGsを身近に捉えてほしい」という想い
J子:『J-CASTトレンド』は「トレンド」と名が付いている通り、時事ネタや流行しているモノや人・コトを全般的に追いかけているニュースサイトです。私たちは、世の中の色々なモノを取り上げているサイトなので、SDGsの専門家ではないですが、SDGsという言葉がマスメディアを中心にキーワードとして出てきた頃から、編集部として取り上げ方を模索してきました。
SDGsについてどんなイメージや思いがあるか、社内外にヒアリングをした結果、「とても専門的な知識が必要で、難しそう、取り組みにくそう」という答えが多く、メディアとしてどのような形で取り上げるべきか、悩みがありました。ですが、実際にSDGsの情報に触れていくなかで、身近に感じられて便利だなと思ってもらえそうなものもあったんです。私たちがこれまでお届けしてきた、衣食住に纏わるトレンドと組み合わせることで「さらっと情報を入手できる=ナナメ読みできる」発信の仕方にすれば、読者にとって飲み込みやすくなるのではないかと思い、連載『ナナメ読みSDGs』を始動しました。
②関わる人がワクワクして、自分ゴト化できる情報
Jシー:『ナナメ読みSDGs』では、企業の情報発信だけで完結せず、「参加してみたらSDGsだった」と思える意外な出会いとして、ワクワクできる・自分ゴト化できる情報に注目しています。わかりやすいのは、参加できるようなイベントやキャンペーンですね。最近取材したもので、ゲームと現実世界を行き来し、ロールプレイングゲーム形式で小学生にSDGsを学んでもらう『サス・ゲー』という取り組みがありました。子どもたち自身が、国の運営者として、その国で起こっている環境破壊や食糧不足などの問題に取り組んでいく内容です。ゲームの仕組みを使いながら、自分たちの行動次第で、環境や世界の歩みが変わることを再現できている点が、とても画期的な取り組みだと思いましたね。また、別の取材ですが、成人向けDVDのリサイクルや処分を促す「男の終活」を紹介した記事は、ありがたいことにツイッターでも多くの反響をいただきました。やはり、「自分のコト(問題)」として考えられるというのは、議論が活発になるために大事だと感じました。
『J-CASTトレンド』注目のサステナビリティトピックス
リサイクル・アップサイクル
J子:身近で、自分ゴト化しやすいという点で、リサイクル・アップサイクルに注目しています。「アップサイクル」という言葉だけだと難しく感じますが、つまりは「価値が無いと思われているものを捨てずに、創意工夫して魅力や価値を付加し、新しく生まれ変わらせる」こと。たとえば、これまで廃棄されていた野菜や果物から成分を抽出して、新しく飲み物や食べ物に生まれ変わらせる。捨てられるはずだったビニール傘をバッグにしちゃう、とか。私たちの身近にあるものが、アイデア次第で変わるのは面白いと思うんですよね。
J子さん/Jシーさんの気になった企業の取り組み
①カンロ『リ ミカングミ』
Jシー:これは、カンロが行っている『ヒトツブカンロ』という取り組みの中の製品で、「清見ミカン」搾汁時に残る繊維質「清見パルプ」と、「清見ミカン」の果汁を使用しています。つまり、ミカンがまるごと使われたグミです。これまで全量が廃棄となっていた「清見パルプ」を、試作を重ねておいしいグミに生まれ変わらせています。
先程紹介したアップサイクルにも関係する商品ですが、SDGsの一貫として紹介するのでなく、編集部内で食べ比べをして「本物のミカンとジュースと比べてみた」という切り口で取り上げたところ、意外な切り口で面白かった、という反響をいただきました。
②『RICE MEDIA』さんの情報発信でのバズりにも注目
Jシー:SDGsで人に記事をみてもらう、ニュース映像を見てもらうというのはかなり難しいなという体感があるのですが、『RICE MEDIA』さんは、その分野でバズりつつ、視聴者にも好意的に受け止められているので個人的にかなり注目しています。例えば、「果たして現代社会で1か月使い捨てプラスチックを使わずに生活することはできるのか?」など、チャレンジングな取り組みをされていて、中には5.1万再生の動画もあります。『RICE MEDIA』さんは、ほかにも企業とコラボするなど、面白い発信を続けています。SDGsを発信するうえで、取り組まれる企業とメディアが信頼関係の上でタッグを組み、SDGsの面白い記事を作りましょう!という空気が広がっていくと、楽しいなと思っています!
\J子さん/Jシーさんの執筆記事・担当コンテンツはこちら/
・『ナナメ読みSDGs』記事一覧
・マイクラでSDGsを学ぶ「サス・ゲー」 ゲームを通して「自分ごと」で考える
・「ミカン」がまるごとグミに! 本物「ミカン」とジュースと食べ比べたら…
・家族の「遺品」処理に困った… 「男の終活」掲げる成人向けDVDショップ(前編)
・原点は「もったいない精神」 「男の終活」掲げる成人向けDVDショップ(後編)
・カワウソ「かわいい」で終わらせない サンシャイン水族館が伝えたい真の姿
マテリアルグループ株式会社 Eagleリーダー
2017年4月マテリアルに入社。プロデューサーとして日用品メーカー・ホテル・大手外食チェーン・スタートアップなど多種多様なブランドを50社以上支援。2021年9月からマテリアルグループのCD本部マーケティンググループに移り、コーポレートブランディングとサステナビリティプロジェクト・Eagleのリーダーを務めている。