概要
富山県高岡市とクリエイティブスタジオROLEが共同で、チラシ・パンフレット・ポスターなどの一般的な印刷製造の際に必ず発生し、廃棄されてしまう『ヤレ紙(品質保持のための調整用損紙)』を、廃棄せずにそのまま上書き印字して市役所職員の名刺や封筒へと生まれ変わらせました。「自分のまちで出たゴミを、全て資源として利活用できないか」という考えのもと、環境行動のひとつとして市民へメッセージを届けるため、一般的な古紙再生とは違ったアプローチで、富山県高岡市にて10月から本格的な配布が始まります。 ヤレ紙名刺・封筒の原料自体は、高岡市が発行したさまざまなポスター・パンフレットのため、デザインはもちろん用途や仕様がそれぞれ異なります。それを、あえて同じルールを設け、もともとの印字面を部分的に塗りつぶしてしまうことで、別のツールとして生まれ変わらせています。縦横から少しだけ除いている“もともとの印面”が逆に面白く、つい色んなパターンを探してみたくなるような工夫も。通常は廃棄処分されてしまう紙たちを、ほぼそのままの状態で再利用するからこそ、そこに新たな魅力を発見できます。
PRポイント
はじめてこの名刺を見た時に、「見た目のキャッチーさ」が印象に残りました。もともとの印字面を残していることで唯一無二の名刺となっていて、実際に名刺交換をする際に、本取り組みに関する会話がされる様子が容易に目に浮かびます。また、言わずもがなではありますが、見た目のキャッチーさはPRの視点においてもとても重要で、ユーモアのある仕掛けは「もっと知りたい」と感じるきっかけになります。 またリリース内で、高岡市にて再生紙を併用している実態も紹介したうえで、「このプロジェクトはリサイクルそのものを否定するわけではなく、これまでとは違ったアプローチから環境行動に対して関心を高めることに繋がればと考えています。」といった考えをしっかり伝えることで、メディアや生活者はプロジェクトの背景を知ることができ、共感が生まれるコミュニケーションになっている点も素晴らしいと思いました。
出典
●https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000046661.html
中野 さやか
マテリアルグループ株式会社 Eagleリーダー
2017年4月マテリアルに入社。プロデューサーとして日用品メーカー・ホテル・大手外食チェーン・スタートアップなど多種多様なブランドを50社以上支援。2021年9月からマテリアルグループのCD本部マーケティング局に移り、コーポレートブランディングとサステナビリティプロジェクトのリーダーを務めている。趣味は植物と料理、ピクニック。【受賞歴】ACC:ブロンズ/CODE AWARD:GOOD EFFECTIVE/PRアワードグランプリ:ブロンズ