人間とペット双方の防災を考える。「猫部(TM)」×LIFULLのXキャンペーン|ジェニトピ

通信販売事業をおこなう株式会社フェリシモの『猫部(TM)』と、不動産サービス事業をおこなう株式会社LIFULLが、ペットとの防災を考えるきっかけになる企画を実施。2024年9月2日~9月9日の期間、Xで「準備しておきたい、おすすめ防災グッズ」のリプライ投稿を呼びかけていました。キャンペーン参加者には、フェリシモ『猫部(TM)』の「万が一を猫といっしょに考えよう」がテーマの防災グッズブランド『NYAN GA ICHI(にゃんがいち)』の商品など、プレゼントが用意されていたそうです。

Background

LIFULLは、あらゆる人が自分らしく生きられる未来を目指して、「しなきゃ、なんてない。」というメッセージを掲げています。それに対して、フェリシモは、「ともにしあわせになるしあわせ」をコアバリューとし、一人ひとりの願いからはじまる幸せを、人・社会・事前と共にかなえていく社会を目指しています。今回のコラボは、LIFULLが実施していた「あらゆる既成概念を超えて、自分らしく生きるメッセージを届けるための企業コラボレーション企画」のひとつとして企画されたそう。双方が互いの理念やメッセージに共感したことで誕生したキャンペーンです。

Target
ペットを飼っている方を主なターゲットとしています。また、LIFULLとフェリシモ『猫部(TM)』のコラボということから、実際にペットとして猫を飼っている人だけでなく、その周辺の猫好きの人たちや、防災に対して漠然とした不安を感じつつも対策ができていない人などもターゲットとしているそうです。

Why Now?
「防災月間」である9月に焦点を当てて、企画を考案。また、年々ペットを飼う人が増え、またそれに対応した物件も徐々に増加していることから、「ペットを伴っての防災」に焦点を当てたそうです。

Planning Point

Xのリポストを活用する形で、参加ハードルを下げ、より多くの人に参加してもらえるように意識しています。また『NYAN GA ICHI』を通じて、人間のためにおこなっている防災が、ペットのために役立つことを伝えられるよう、表現にも細かい工夫が詰め込まれたキャンペーンになっています。

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パーパス経営を体現するサントリー。「水」起点の一貫したコミュニケーション活動に迫る

パーパス経営の重要性が問われる前から、自社の本質的な価値観を起点にした活動を数多くおこなってきたサントリーグループ。「水と生きるSUNTORY」をコーポレートメッセージに、サステナビリティの観点をベースとして、「水」にまつわる総合的なコミュニケーションを展開しています。

今回は、サントリー食品インターナショナル株式会社 SBFジャパン ブランドマーケティング本部 課長の佐藤匡さんにインタビューを実施。生活者へのブランド×サステナブルコミュニケーションとして意識していることや、パーパスを生活者に理解してもらい、浸透させるための勘所などについてお話を伺いました。

「水」を起点に展開されるサントリーの活動に迫る

事業の根幹「水」に対するサントリーの想い

サントリー食品インターナショナル株式会社 佐藤 匡さん


サントリーでは、「水と生きるSUNTORY」というコーポレートメッセージを掲げていますが、どのような想いから制定されたのでしょうか。

サントリーでは、1923年に山崎蒸溜所を建設し、ウイスキーの製造に着手した創業当初から「水はなくてはならない資源」という考え方を大事にしてきました。サントリーが生み出している製品は、基本的に「水」がなければ作ることができないので、自然と水の恵みに生かされる企業として、2003年よりコーポレートメッセージに掲げています。そして、そのような想いから、2003年に「天然水の森」を、2004年に「水育」という活動をそれぞれスタートしました。

「天然水の森」活動は、森林の保全活動を通じて良質な地下水を育むことを目的にした取り組みです。国内4か所の採水地で製造されている「サントリー天然水」は、良質な地下水を原料としていますが、ミネラルが溶け込んだ清らかな天然水になるまではおよそ20年以上かかります。良質なミネラルウォーターを作り続けるためにも、慈善活動ではなく基幹事業として取り組んでいるのが特徴ですね。

「水育」の様子

「水育」活動は、次世代の子どもたちに水の大切さを伝え、水や自然を愛する心を育てていく「次世代環境プログラム」です。サントリーグループの講師が学校に出向き、体験学習型の出張授業を実施しているほか、オンライン形式によるリモート授業や森と水をテーマにした自然体験プログラムを提供しており、日本だけでなく海外にも展開しています。これまで、累計で58万人を超える子どもたちに、水育を提供してきました。

「ウォーター・ポジティブ」で水資源の大切さを自分ゴト化してもらう

近年では、「ウォーターポジティブ」という活動もされていると伺いました。

サントリーグループでは取水量以上の水を、水系に育むことを「ウォーター・ポジティブ」と考えています。2023年からはじまった「ウォーター・ポジティブ」コミュニケーションは、貴重な資源である水と、100年先の未来もおいしい天然水を守り育むためにはじめたサステナビリティを伝えていく活動です。この活動によって、お客さまに「水資源の大切さに気づき、未来に繋げていく」ことに対して“自分ゴト化”してもらうことをゴールに定めています。今までの「天然水の森」や「水育」と比べ、お客さまに向けてより身近に伝えていきたいという想いから生まれた取り組みで、さまざまな観点から「ウォーター・ポジティブ」の訴求や啓発をおこなっています。

その流れで、「次世代ウォーター・ポジティブ プロジェクト」と称した活動もスタートしています。こちらは、どのような取り組みなのでしょうか。

10代以下の学生を対象に、水資源を未来に繋いでいく上で「自分たちには何ができるか」を自分ゴト化して考えてもらうためのプロジェクトになります。具体的な取り組みとして、2つあります。

1つ目は、小学生を対象にした水の啓発授業です。小学校4年生の単元に「総合的な探求」という授業があり、その時間にSDGsやサステナビリティについて学習するのですが、先生が自分で使う教材や授業内容を考えなければいけないんですね。「次世代ウォーター・ポジティブ プロジェクト」では、サントリーが水とサステナブルの教材を作成し、連携先の株式会社ARROWSのサービスであるウェブの教育プラットフォームに載せる仕組みを提供しています。開始時は5,000人規模を上限にしていましたが、想定を上回る反響をいただき、来年度からは今年の10倍以上となる7万人以上に規模を拡張して展開できればと考えています。

「ウォーターポジティ部」のメンバー

2つ目は、高校生を対象にした水資源の大切さの興味喚起や理解促進を図る「ウォーターポジティ部」の活動です。“水が好きでよく飲んでいる”という共通点を持つ、有志で集まった高校生のチームに、水の大切さを学んでいただいた上で、「自分たちの日々の行動に生かせること」を考えてもらい、Instagramから発信していきます。同世代にとって、共感できる等身大の啓発活動を目指していますが、基本的には高校生の自主性や意志に従うようにしていて、座談会などを通して意見を出し合う形を取っています。

こうしたプロジェクトをおこなう理由は、ミネラルウォーター市場において若年層の伸長率が伸びている背景があるからです。サントリー天然水の購買層のうち、ボリュームゾーンは40代〜50代ですが、近年は若年層からの支持が高まっています。「次世代ウォーター・ポジティブ プロジェクト」を通じて、若年層へのアピールもおこなっていければと思っています。

サントリー×サステナコミュニケーションの勘所

話者を変え、伝えたいメッセージの理解・浸透につなげる

ハローキティと連携したウォーター・ポジティブの施策


取り組みを経て、実感している効果などはありますか?

正直に言うと、サステナブル活動をどのように製品の実売に結びつけていくかという部分について、まだ誰も解を持っていないので、いろんなことを試しながらトライアンドエラーを繰り返しています。テレビCMは有効な手段ですが、テレビCMだけではメッセージの深い理解までつながらない層が一定数存在するという課題を感じています。

そうしたなかで、ハローキティと連携した施策は、これまで企業発信で「ウォーター・ポジティブ」を訴求していたのを、「話者を変えることで内容理解につなげる」ことにチャレンジした取り組みでした。このような取り組みを通じて、「サントリー天然水は未来に水をつないでいく活動をしているんだ」という認知度向上に大きく寄与していると考えています。

その一方で、サントリー天然水は、国内清涼飲料水市場で6年連続売上No.1(サントリー調べ)を誇るブランドに成長しつつも、より盤石な顧客基盤を作ることが次のフェーズだと捉えています。味のない水において、お客さまから選ばれるためには「好きになってもらえるか」がひとつの基準になっており、サステナブル活動を推進することで、「ブランドイメージの変化とどう影響しているのか」という相関は見るようにしていますね。サステナブル活動によってブランドの好意度が高まれば、お客さまが店頭で悩むわずかな時間のなかで、“無意識に選ばれるかどうかの差”が出てくると思っています。

生活者の気づきを促すためには“具体的な数字”が有効

当初のCMメッセージ


色々な手法を使ってアプローチをされていますが、企業が自社のサステナブル活動を生活者へ浸透させるためのポイントや、意識すべきだと考えていることがあれば教えてください。

先述したように、試行錯誤しながらPDCAを回している段階ですが、ひとつわかったのは、「具体的な数値をメッセージの中に入れることで、生活者の“気づき”を促すきっかけになる」ということです。芦田愛菜さんに出演いただいたテレビCMでは、「すぐ使える水は地球全体の中でわずか“0.01%”しかない」や「サントリー天然水はおよそ“20年”かけて育まれた、かけがえのない天然水である」という具体的な数字を入れたことで、生活者がハッとするような気づきを与えるコミュニケーションにチャレンジしました。

一方で、このような発信をおこなう際に気を付けているのは、グリーンウォッシュにならないように、ファクトに基づいて正しく伝えることです。サステナビリティ経営推進本部と密に連携を取りながら、「言う言わない」の線引きを確認しつつ、コミュニケーションの開発をおこなっています。また、企業目線で「ウォーター・ポジティブ」の大切さを説いても、生活者に何も伝わらないですし、理解されないと思っているので、「どのようにしたら共感や自分ゴト化につながるのか」を考えるようにしていますね。

「飲用価値」と「サステナ価値」の両立を目指すサントリーの挑戦

さいごに、「サントリー×水」の活動における、今後の展望についてお聞かせください。

サントリー天然水の「飲用価値」と「サステナ価値」の両軸を意識しながら、今後も取り組みを継続していきたいと思っています。こんな場所で生まれた水ならおいしいに違いない」と感じてもらうことを目的にした飲用価値コミュニケーションをベースにしながら、「ウォーター・ポジティブ」の活動でサステナ価値を積み上げていきたいと考えています。

また、最近では「水」のサステナブルではなく、「人」のサステナブルの重要性にも着目しています。自然災害が多い日本において、防災備蓄の観点からブランド起点のコミュニケーションを設計できないかと考えているところです。水を「飲料」「資源」「インフラ」と多角的に捉えたうえでサントリーならではの活動を広げていきたいです。

ポーラ×江崎グリコ×TOHOシネマズ、3社共催の子連れ映画鑑賞イベントとは|ジェニトピ

株式会社ポーラ・江崎グリコ株式会社・TOHOシネマズ株式会社の3社が共催し、「赤ちゃんを連れて、ママパパも映画を楽しもう♪」を、TOHOシネマズ ららぽーと富士見にて、2024年10月22日に開催します。子連れでも安心して映画鑑賞ができる環境を用意した、毎日の子育てに奮闘するママとパパを応援する、無料招待イベントです。

Background

「産後の時間をより豊かなものにしたい」「子育ての環境をもっとよりよいものにしたい」という共通の想いを持つ、ポーラ・江崎グリコ・TOHOシネマズの3社は、各社の強みを生かしさまざまな取り組みに取り組んでいます。

ポーラは、産後の女性が心身ともに健康で、より楽しく豊かに過ごせることをミッションとした産後ケアアプリ『mamaniere』の運用、江崎グリコは「子育てをCo育てに」をコンセプトとし、子どもを育てるママ・パパが周りのみんなと一緒に子育て(Co育て)に取り組む環境づくりを推進、TOHOシネマズは、赤ちゃん連れでも周囲に気兼ねなく映画を楽しめる上映会「ベイビークラブシアター」の開催などを日々推進しています。

業界の異なる3社が、共通の想いをもってそれぞれの取り組みを進めているなか、「互いの強みを生かして共創することでより社会を巻き込み、子育てを頑張っているママ・パパを応援できるのではないか」とのきっかけから実現した、コラボレーション企画です。

Target
本イベントは、毎日子育てに奮闘する小さな子ども(特に、0~2才)のいる親御さんをメインターゲットとして想定しています。

Planning Point

業界をまたぎながらも、共通の想いをもつ3社が、社会を巻き込み「子育て家庭に優しい環境を提供すること」の実現を目指す本イベント。より多くの人の参加ハードルを下げるため、「無料イベント」という場を用意しています。また、本イベント自体が、3社が提供する「子育て世代を応援するそれぞれの施策」の認知を広げる狙いがあるほか、認知拡大という観点では、ターゲット層にアプローチしやすい、子育てフリーマガジンでのプレゼント企画や、SNSでの告知などを実施しています。

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オーバーツーリズム解消へ向けて『NAKED GARDEN ONE KYOTO』|ジェニトピ

株式会社ネイキッドは、京都市、宇治市、滋賀県大津市とともに、伝統・文化を生み出し人々と共創するアートプロジェクト『NAKED GARDEN ONE KYOTO 2024 supported by 三菱UFJフィナンシャル・グループ』の秋のガーデンを、2024年9月14日~12月8日の期間で実施。秋のガーデンでは、日本の伝統文化とアートが融合した新たな文化体験ができるナイトタイムコンテンツを展開することで、社会課題である京都のオーバーツーリズム対策への貢献・促進を目指しています。

Background

『NAKED GARDEN ONE KYOTO』は、京都をひとつの庭と見立て、あらゆるジャンルの垣根を超えて京都がひとつになるアートプロジェクト。京都にあるあらゆる行政・民間企業・観光名所等が参画し、日本から世界に向けて、文化の発展と観光促進に取り組むために、2022年よりスタートしました。

Target
国内外問わず、京都に来る観光客や地元の方に向けて開催されています。

Why Now?
『NAKED GARDEN ONE KYOTO』は夏から開催されており、今回は秋シーズンということで9月~12月の開催になったそう。また、秋シーズンは、紅葉を見に沢山の人が京都を訪れるため、オーバーツーリズムが叫ばれています。その解消を目指して、ナイトタイムコンテンツを展開し、来訪者の時間を分散することも意識しているそうです。

Planning Point

本イベントでは「ユニークベニュー」といわれる、特別感や地域特性を演出できる歴史的建造物・文化施設・公的空間等を活用した、京都の文化・歴史の発信をおこなっています。加えて、「さまざまな違いを超えて京都の魅力を発信していくべきだ」という想いから、SNSや交通広告など幅広い媒体を通して生活者とのタッチポイントを創出し、より多くの人に参加してもらえるよう意識しています。

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公式サイト

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レシート×エシカル「レシカルキャンペーン」開催中|ジェニトピ

東芝テック株式会社と東芝データ株式会社は、2024年9月16日~11月17日にて電子レシートサービス「スマートレシートⓇ」加盟店と合同で「レシカルキャンペーン 2024 秋」を開催します。3回目の開催となる今回のテーマは「自分に良いこと、地球に良いこと」。対象店舗で「スマートレシートⓇ」を利用し応募することで、エコやエシカルに関連した賞品などが抽選で合計1,500名に当たります。

Background

本キャンペーンは、スマートレシートのユーザーおよびスマートレシート加盟店の「顧客ロイヤリティ向上」を目的として企画されました。電子レシートサービスである「スマートレシート」は、加盟店がサービスを導入し、その店舗で買い物をする生活者が利用することで成り立つサービス。ユーザーである生活者と加盟店の双方に、サービスに対する信頼と愛着を持ってもらい、長期的な関係を築くことが重要となります。加えて、日々の買い物の際に発生するレシートを電子化できるため、CO₂削減をはじめとした環境負荷の低減やエシカル消費への貢献につながります。

このようなサービスの魅力や社会的な意義を、「エコ」「エシカル」「地域活性化」といったテーマとともに、加盟店を横断した、参加しやすいスキームでキャンペーンを訴求。スマートレシートの価値や楽しさをより実感してもらう・愛着をもってもらう機会になればと考え、実施にいたりました。

Target
スマートレシートは、年齢性別問わず誰でも利用できるサービス。そのため、今回のキャンペーンも、日頃から買い物をする人はもちろん、幅広い層に楽しく参加してもらえるよう企画されています。

Why Now?
キャンペーン時期を決める際に、スマートレシートの加盟店へアンケートを実施。それぞれの繁忙期や店頭周知のリードタイム、来店頻度などを鑑みたうえで、開催時期を決定したそうです。

Planning Point

先述のとおり、スマートレシートは、加盟店の導入と生活者の利用があって初めて成り立つサービス。生活者の認知や興味関心を増やしていくために、加盟店の店舗やSNS、オウンドメディアなどで、既存会員に対して告知等の協力をしてもらっているそう。一方で、加盟店や店舗運営の多忙さを考慮し、運用上の負担をかけずにキャンペーンへ参画してもらい、効果を最大化できるよう運営しているそうです。

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公式サイト

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地域×アートの手引き。経済産業省『×ART』|ジェニトピ

経済産業省では、これからアートプロジェクトをはじめようとする、地域や自治体、企業の方々の手引きとなり、地域の活性化に資する、新たな文化創造やアートの普及促進を目的とし「×ARTスタートアップガイドライン」を2024年2月22日に公表しました。このガイドラインでは、アート活動の基点となる3つのエンジン「アーティスト」「自治体や企業」「地域の人」が、どのようにプロジェクトを進行していったのかを、つまづくポイントや理解を得られにくい効果・影響の部分を可視化し、アート活用の際のルールや制度・法令、アートと地域の関係を循環させていく、仕組みづくりの部分までを解説しています。

Background

経済産業省では、アートなどの文化芸術が経済社会を支える大きな力の一つであるという認識のもと、アートと経済社会が互いに支え合いながら発展していく仕組みを作るために、「アートと経済社会について考える研究会」を立ち上げ、報告書を作成しました。

報告書の中で、地域の公共の場や使われていない空間を活用したアートプロジェクトは、地域のコミュニティ形成やブランディング向上などの価値を生み出す一方、プロジェクトをおこなうためのノウハウ不足により、取り組む地域は限られていることが判明。この現状を踏まえて、アートプロジェクトをはじめようとする人々の手引きとなることを目的に、本ガイドラインを作成・公表しています。

Target
本ガイドラインは、地域でアートプロジェクトを始めたいと考えている方々や、自治体・企業の担当者を対象とし、効果や事例、具体的な進め方を知りたい方、またプロジェクト実施にあたって活用できる制度を知りたい方をメインターゲットにしています。

Why Now?
2023年7月に「アートと経済社会について考える研究会」の報告書を公表したところ、アートに携わる方々やアートの活用を考える企業、地域の方々から注目を集めたそう。こうしたアートへの注目を、一過性のものではなく具体的なプロジェクトに繋げることが大切だと考え、2023年度内に公表することを意識して進行されています。

Planning Point

アートプロジェクトに関心を持った方に、「まず手に取ってもらう」「親しみやすさを感じてもらう」ことが重要であると考え、政府から出している他のガイドラインと比べて、デザインにこだわったり、事例やイラストを多く入れたりといった工夫をしています。そして、本ガイドライン全体を通して、アートプロジェクトの進行を包括的に理解することができるよう、意識して作られているそうです。

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ガイドライン

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のぼせる湯宿オープン!湯宿温泉の地域活性を目的としたメディアの裏側|ジェニトピ

群馬県みなかみ町の旧新治村に位置する湯宿温泉のシティプロモーションとして、まちづくり団体「ゆじゅくリノベ」が、ローカル情報メディア『のぼせる湯宿』を公開しました。「ノスタルジーにのぼせよう。」をコンセプトに、1200年の歴史を誇る、豊かな効能を持つ温泉と、レトロな雰囲気と山々に囲まれた自然の美しさという魅力を、ウェブサイトやポスター、パンフレットなどで全国に発信します。

Background

かつては、さまざまな店舗が立ち並び、活気があふれていた湯宿温泉ですが、全国的な傾向に漏れることなく、高齢化や空き家増加などの地域課題に直面しているそう。今では、温泉旅館と飲食店が数件あるのみで、温泉地として気付かず通り過ぎてしまうほど静かな温泉街に。しかし、国道沿いというアクセスの良さ、風情のある石畳、今も残る共同風呂の文化など、ポテンシャルの高い地域でもあることから、そのような地域資源を最大限に活かし、人の暮らしや営みを活性化させ、観光地としての再生を目指したいという想いから、企画に至りました。

また、『のぼせる湯宿』は単なる情報発信の場ではなく、移住や起業という側面も踏まえた、“湯宿温泉の未来を一緒に創っていくこと”を目指しています。このサイトを通じて、1人でも多くの人に湯宿温泉を知って、訪れて、町と関わりをもってほしい。そんな想いからプロジェクトを運営しているそうです。

Target
湯宿温泉の活気を一緒に取り戻していくため、観光客はもちろん、移住者や事業者になり得る人にみてもらいたいそうです。

Why Now?
高齢化や空き家増加が進む中で、この町の魅力を発信することは急務と考えていたそう。そんな中、若者世代が町を訪れたり、地元に戻ってきたり、移住をしてきたりと、町と若者が関わる機会が生まれました。その中で、「今後、店舗を構えたい」「住んでみたい」という声があがり始め、現在の情報をまとめた『のぼせる湯宿』を最速でリリースする運びとなったそうです。

Planning Point

今回のプロジェクトを進めるにあたり、「地域のことを地域の手屋関係者の手だけで発信すること」に重きを置いていました。たとえば、今回のパンフレットを制作したチームは、湯宿温泉の地元や近隣、移住者を含む住民や観光客のみで構成されています。一人ひとりが地域を盛り上げることで、愛着のあるプロジェクトとなり、リリース後の持続可能性を高めることを心掛けているそうです。

また、地元民が織りなすリアルなストーリーや生活文化を、移住者やUターンなどの“若者世代が考えた新しい媒体や表現方法”とかけ合わせることで、地域ならではの個性と親しみやすさを伝えるコンテンツ作りを意識しています。

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のぼせる湯宿

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with「価値観がわかる。出会いがわかる。」キャンペーンの裏側|ジェニトピ

2015年にサービスを開始したマッチングアプリ『with』は、心理テストや自身の興味・関心ゴトを明示するための「好みカード」といった機能を通じて、相手との価値観マッチングを重視した出会いの機会を提供しています。2024年8月1日~10月31日まで実施されている「価値観がわかる。出会いがわかる。」キャンペーンでは、ユーザー体験型コンテンツや、6人の芸人がアンバサダーを務めるプロモーションを展開しています。

Background

コロナ禍を経て、マッチングアプリを利用する人が増えるなか、マッチングアプリ経験者において、「内面を重視した出会い」と比較して、「相手の学歴や職歴、年齢、外見といった外面的な情報をもとにした出会い」が長続きしないといった傾向が確認されています。そのため、長期的な交際には価値観などの内面を重視したパートナー選びが重要です。『with』では、特に20代の方々が良縁につながる出会いのヒントを得られるように、本キャンペーンを企画。さまざまな体験やコンテンツを通じて、出会いにおける価値観の重要性を伝えたいという想いが込められています。

また、『with』のユニークな特徴のひとつが、その人の価値観を表す「タグ」の存在。 無数にある詳細で個性的なタグを見ているうちに、もはや「タグ」だけでどんな人かがわかるのでは?という話になったそう。そのインサイトを軸に、価値観のタグだけで、その人が誰かを予想するティザーキャンペーンにはじまり、タグを選んで「#価値観マッチング」を疑似体験できるコンテンツや、自分だけの価値観がデザインされた「#価値観マッピング」などを、キャンペーンを展開していきました。
※出典:2023年10月23日発表の当社調査

Target
今回の企画では、20代の方々をターゲットとしています。

Why Now?
ユーザーが伸びる傾向にあるお盆の時期に合わせてキャンペーンを実施したそうです。また、今回のキャンペーンに際しては、リリースを3回に分けて配信しています。
◆1回目:8月1日
キャンペーン第1弾の「#このひとだーれだ」チャレンジにおける、OOHの掲出タイミングに合わせて
◆2回目:8月7日
OOHデザインが更新され、キャンペーン第2弾の体験型コンテンツ「#価値観マッピング」、「#価値観あうひとだーれだ」チャレンジ開始に合わせて
◆3回目:8月8日
キャンペーンアンバサダーが登壇した、マッチングアプリ『with』「価値観がわかる。出会いがかわる。」キャンペーン発表会実施後にイベントレポートとして

Planning Point

『with』では、ユーザーの真面目な出会いの場を提供するべく、価値観マッチングを大切にしています。まずは、自身の価値観を可視化することで、内面を見つめてもらい、その上で価値観の合う相手と出会うことの大切さと楽しさを知ることができる。そんなきっかけを、本キャンペーンが担ってくれたら嬉しいなという想いで、街中に散りばめられた価値観をヒントに、アンバサダーが誰なのかを予想する企画や、参加者ご自身の価値観が可視化される体験型のコンテンツを制作したそう。

また、出会いにおける価値観の重要性を伝えるため、キャンペーンアンバサダーを起用。好きなものや趣味、考え方、生活スタイルなどの価値観だけでどんな人なのかが分かるような、個性豊かな価値観を持つニューヨーク、見取り図、さや香の3組6名のお笑い芸人をキャスティングしています。実際に、キャンペーン第2弾として、体験型コンテンツ「#価値観マッピング」、「#価値観あうひとだーれだ」チャレンジを公開すると、芸人を徹底的に研究したタグによって、ファンを中心に話題になったそうです。

自分がどの芸人と価値観が合うのか、または合わないのかを面白がって投稿する人が多く、沢山の人に「#価値観マッチング」を体験してもらえています。加えて、「#価値観マッピング」についても、SNS上を中心に、「まさにこれは自分だ!」「自分のことがあらためてよく理解できた!」といった声が多く挙がっており、“価値観を可視化してシェアする”という体験を楽しんでもらえていると感じているそうです。

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Z会×サマーウォーズ コラボCMの背景に迫る|ジェニトピ

Z会グループが、今年劇場公開15周年を迎えるアニメーション映画『サマーウォーズ』との特別コラボレーション企画を実施し、ウェブCM「17歳の健二へ」篇を公開。健二の声を演じた、俳優の神木隆之介さんが再度吹き替えをおこなう形で実現しました。

また、Z会Xアカウントにて、「Solve Me」キャンペーンと銘打ち、映画本編で健二が解いた “あの問題” に挑戦してもらう、超難問SNSキャンペーンを公開。同問題は、映画の舞台である長野県上田市の上田電鉄上田駅にも、2024年8月8日まで掲示されました。

Background

Z会グループは、これまで数々のアニメとコラボレーションしてきた背景があるなか、アニメーション映画『サマーウォーズ』の劇場公開15周年に着目。映画のなかで、問題を「解く」ことで世界を救い、自身の未来を拓いた主人公・健二と、机に向かい問題を「解く」ことで未来を拓く学生たちの想いが重なるという表現が、Z会グループのブランディングにつながると考えたことから企画がスタートしました。

Target
『サマーウォーズ』ファンはもちろん、子どもや学生をはじめ、未来に向かって学び続けるすべての人を想定した企画です。

Why Now?
『サマーウォーズ』が、劇場公開15周年を迎えるタイミングで実施しています。

Planning Point

『サマーウォーズ』ファン、学生、子どもたちに留まらず、すべての人に困難に立ち向かうことの価値を感じてもらえるよう、「諦めたら、解けない。」という劇中の名台詞を、現在と当時の神木さんの声が重なるような演出にしたそう。また、ナレーションは、“今の健二”だからこそ気付くことができる価値を伝えています。

加えて、SNSキャンペーンを実施したXでは、ティザー・問題・ヒント投稿と、すべて作中のシーンに重ね合わせた画像と文章にし、ファンのチャレンジ精神を刺激することを狙いました。

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コラボサイト

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なぜ甲子園期間に?メッセージ広告「伝わると、みんなの物語になれる。」|ジェニトピ

株式会社 PR TIMESは、PRの可能性を信じるメッセージ広告「伝わると、みんなの物語になれる。」全11種を、阪神甲子園球場に2024年8月7日~23日の期間限定で掲出。加えて、阪神電車の全路線全車両と阪神電車路線駅14駅、2024年8月5日~26日の期間で同広告を展開しました。

Background

PR TIMESは『月刊 経団連』にて、「伝え方を改革できれば、働き方も改革できる。」という広告を、2021年11月号から隔月で掲載していました。そのシリーズのスピンオフ企画として、2023年8月には、阪神甲子園球場と阪神電車で、「伝えることで、生まれる感動もある。」というメッセージ広告を掲出。その第2弾として、今回のメッセージ広告「伝わると、みんなの物語になれる。」を実施しました。

甲子園球場を掲出場所に選んだのは、大阪や神戸といった地元の方々にとって象徴的な場所で、訪れる機会も多いと考えたから。『PR TIMES』は、全国の企業・団体・自治体等が利用しており、その数は10万社に到達している一方、東京在所の企業に比べ、地方地域への利用拡大の余地がまだまだあったそう。そのため、当社で実施している、プレスリリースをはじめとする広報・PR活動を地域に広げる取り組みの一環として、本企画が機能しています。

Target
企画当初、甲子園球場と阪神電鉄駅および車内に掲出することもあり、まずは甲子園球場に訪れる人をターゲット層として捉えていたそう。しかし、完成した全11種のメッセージは、特定の人に限定せず、それぞれが誰かの心に届く内容になっていました。そのため、最終的には、何か伝えたいことを胸に持つすべての方を、ターゲットとしています。

Why Now?
この時期の甲子園球場は、一年の中でも特に、全国から何かに熱量を持った人が多数訪れる場所です。地元の方はもちろん、多くの方とコミュニケーションが取れる貴重な機会のため、このタイミングで「伝わると、みんなの物語になれる。」というコピーを軸に、全11種のメッセージを掲出しました。

Planning Point

PRにおいても大切な“伝える”ということ。それは、必ずしも表舞台で活躍した人にのみ求められるものではないと考えているそう。そのため、今回の広告では、行動や結果だけでなく、その努力の過程や裏側で支える人たちの思いまでも伝えることで、“誰かにとって意味を持つ”というメッセージを込めています。

また、甲子園球場の中だけでなく、球場に向かう阪神電鉄(駅ポスターおよび車内ポスター)に加え、大阪梅田駅で阪神電鉄に乗る場合に、ほとんどの方が通る階段にも、それぞれの場所に適した形にクリエイティブを変えて掲出しました。共感を呼ぶメッセージだからこそ、甲子園球場を彷彿させるイラストと合わせて、球場に向かう方に向けて、どこか心に残る広告を目指しています。

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視覚を取り払うと見えてくる“物事の本質”。新たな対話手法「ブラインド・コミュニケーション」に迫る

物事の本質に迫る、新たな対話の手法として生み出された「ブラインド・コミュニケーション」。1つのテーマについて、視覚を使わない環境で語り合い、そこに視覚障害者が“導き手”として入り込むことによって、参加者のより深いテーマ理解を促し、本音での語らいを引き出せる新しいアプローチとして、ブランディングや企業研修の領域で注目を集めています。

この新手法は、自身も視覚障害者であるブラインド・コミュニケーターの石井健介さんと、電通PRコンサルティングの石井裕太さんが中心となって、チームで開発されました。果たして、どのような経緯で開発され、現在はどのような場面で活用されているのか、今後の展望も含めてお二人に詳しく話を伺いました。

ラインド・コミュニケーター/ラジオパーソナリティー 石井 健介
1979年生まれ。アパレルやインテリア業界を経てフリーランスの営業・PRとして活動。2016年の4月、一夜にして視力を失うも、軽やかにしなやかに社会復帰。「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」での勤務を経て、2021年からブラインド・コミュニケーターとしての活動をスタート。見える世界と見えない世界をポップにつなぐためのワークショップや講演活動、ラジオパーソナリティーなどをしている。https://kensukeishii.com/
電通PRコンサルティング  ステークホルダーエンゲージメント局 コーポレート・コミュニケーション部 部長/チーフ・コンサルタント 石井 裕太
1979年生まれ。2001年に、電通PRコンサルティングに入社して以来、環境から人権まで、さまざまなイシューを起点にしたコミュニケーション戦略領域全般に携わる。現在は、社会的&経済的インパクトの両立を目指すコーポレート・ブランディングに従事。基本、坊主に白T。https://note.prx-studio-q.com/n/n635a75d0c4da

新たな対話手法「ブラインド・コミュニケーション」とは?

「見えているようで見えていなかったもの」に気づくきっかけとなる

ブラインド・コミュニケーター/ラジオパーソナリティー 石井 健介さん


ーはじめに、「ブラインド・コミュニケーション」とは、どのようなものなのか教えていただけますか?

石井健介(以下、健介):「ブラインド・コミュニケーション」は、僕たちがつくった造語です。あらゆる要素を削ぎ落して簡潔に言えば、字面そのままで、「視覚を使わず人と対話すること」ですね。普段はあまり意識をしていませんが、言葉を使うとき、人は物事をかなり“あやふや”に表現しているもの。たとえば、「今日はいい天気」とひとくちに言っても、もっと具体的に表現できるはずなのです。空の色はどうなのか、雲はあるのか、あるとしたらどんな形の雲なのか。「いい天気」という言葉を因数分解していくと、いろいろな要素が含まれていることが分かります。そうした、曖昧な言葉の中にある、より細かな要素や人の本音を引き出そうとするのが、「ブラインド・コミュニケーション」です。

石井裕太(以下、裕太):このコミュニケーションを行う上では、対話する人の視覚を物理的にシャットダウンするのと同時に、視覚に障害のあるブラインド・コミュニケーターの方々がファシリテーションすることが重要なポイントです。ブラインド・コミュニケーターは、僕ら晴眼者のように視覚に依存していないからこそ、たとえば「よくない天気ってなんだろう?」のような、核心に迫るような問いかけをしてくれる。すると、まだ言語化できていない暗黙知や当たり前すぎて意識していなかった本質に気が付くようになるんです。

健介「見えているようで見えていなかったもの」「気づいているようで気づいていなかったもの」を発見できるのが、視覚障害者が対話に入り込む「ブラインド・コミュニケーション」の特長だと思います。

完成しないコミュニケーション?多くの可能性を秘めるワケ

電通PRコンサルティング 石井 裕太さん


ーどのような経緯で生まれた手法なのでしょうか。

健介:大きな出発点は、僕が一夜にして視覚障害者になったことでした。僕は、1979年生まれで、今年45歳になったのですが、36歳の時に、朝起きたら目が見えなくなっていたんです。それまでクリアに見えていた世界が、ほとんど何も見えなくなったとき、視覚を使ったコミュニケーションができなくなってしまいました。「あれ」とか「これ」と言われても、全然分かりません。自分がこれまで行っていたコミュニケーションとは、まったく違うスタイルを探らなければならなくなったことで、表現の仕方や問いかけ方が大きく変わりました。

ある日、そうした自分が目の見える人たちと一緒にいると、いつもとは少し違うコミュニケーションが生まれるなと気がついて。そのとき、“見える世界と見えない世界をつなぐ人”になりたいと感じました。日本科学未来館には、来場者と科学の世界をつなぐ「科学コミュニケーター」という案内役がいます。その職種にヒントを得て、「ブラインド・コミュニケーター」という言葉をつくり、活動し始めたのが、「ブラインド・コミュニケーション」という手法が生まれる大きなきっかけとなりました。

裕太:僕が健介くんと知り合ったのは6年くらい前なんですが、仕事でもプライベートでも、彼と話をしていると、めちゃくちゃ面白い問いをたくさん投げかけられるんですね。その問いかけを通して、自分自身の中にある“分かったつもり”に気が付き、物事の根源的なものを突き詰める方向に向かっていくのがとても面白いなと感じていました。先の見えない時代だからこそ、楽しく原点回帰できるような、こうしたコミュニケーションが世の中にもっと広まれば、色々な問題の解決や、新しい価値の創造に結びつくのではないか。そう感じたことで、コミュニケーション手法や組織開発のプログラムづくりに挑戦することにしました。その結果、ひとまず形になったものを、今年から企業や自治体、大学などの教育機関などに提供し始めました。

ー「ブラインド・コミュニケーション」は、完成して間もないのですね。

健介:僕たちはこれが完成だとは思っていませんし、まだまだ探求している最中で、裕太くんとは、日々、新たな可能性について話し合っています。現在、提供しているワークショップ『ビジョン・クエスト』も、視覚障害者が本来もっている能力を発揮する1つの形でしかなく、手法やプログラムはこれからさらに新しいものが生まれてくると思います。そういう意味では「ブラインド・コミュニケーション」は、いまだ発展し続ける建築物、サグラダ・ファミリアのようなものかもしれません。

裕太:僕は、PR業界に入って24年ほどですが、健介くんらに出会って気が付いたのは、自分自身がコミュニケーションの方法論や可能性を分かったつもりになっていたことですね。たとえば、「人は見た目が9割、じゃなくて実は1割なんじゃないか」とコミュニケーションの常識や習慣を批判的に考えられるようになったんです。ブラインドのプロと、僕らコミュニケーションの専門家が一緒になって、この「ブラインド・コミュニケーション」という新しい風を、世の中に吹き込んでいきたいですし、もっと幅広い領域で活用され得る大きな可能性を秘めていると思います。

企業研修に新風を吹き込んだ『ビジョン・クエスト』

企業と自身のパーパスで、重なる部分を探求・発見する

ー「ブラインド・コミュニケーション」を活用することで誕生したという、ワークショップ『ビジョン・クエスト』についても教えていただけますか?

裕太:これは、主に企業向けに提供しているプログラムで、会社のパーパスと参加者自身のパーパスとの重なりを探求・発見できるワークショップです。健介くんのようなブラインド・コミュニケーターたちと、PRコンサルタントが連携してファシリテーションを行い、参加者はアイマスクをつけて視界を遮断した上で、言葉を尽くして、組織と自分の「これまで」と「これから」をお互いに問い掛け合いながら、自らの想いを言語化していってもらいます。

健介:たとえば、PR GENICの運営指針やコンセプトはなんですか?

ーあらゆる企業に、ビジネスとPRを紐づけて考えてもらうため、関連する事例を紹介しているほか、広報・PRパーソンの良質なインプットとなるような情報を届けています。それらを経て、PR業界やPRパーソンの価値向上に貢献できるよう活動していますね。

健介:なるほど。それを『ビジョン・クエスト』的に深掘りするなら、僕たちは「PRパーソンが具体的にどのような状態になっていると、『PRパーソンの価値が向上した』と言えますか?」と質問して、コンセプトの本質はどこにあるのかを探求してもらいます。そうすることで、参加者一人ひとりのコンセプトに対する捉え方や価値観がまったく異なることが発見できるんです。

また、深掘りをする際には、ブラインド・コミュニケーターが詳細に思い描けるくらい、解像度高く言語化してもらいます。そうすると、キャッチコピーの連呼になってしまいがちな企業理念の浸透や、インターナル・コミュニケーションに関して、働いている人がパーパスをきちんと自分の言葉で言語化し、理解していく。そして、自分が大切にしている軸や価値観も、同時に発見して深く理解していける。これを叶えられるのが、『ビジョン・クエスト』です。

視覚を遮ることが“本質的な会話”の醸成につながる

ワークショップの様子


ー「参加者自身の価値観の発見」も、ワークショップの大切な要素なのですね。

健介:そうですね。自分のありたい姿を掘り下げていくと、企業の理念やパーパスと紐づく部分がどこかひとつでも見つかるはずです。その繋がりを見つけることができれば、働く人はその会社で自己実現ができるということですから、主体性をもって仕事に向き合えるようになります。『ビジョン・クエスト』では、理念の浸透だけでなく、「社員と企業との結びつきやエンゲージメントが、結果として強化される」という副次的な効果も狙っている部分があります。

裕太:ここで重要なのは、「結果として」というところです。理念浸透だけをゴールにしてしまうと、会社が社員に対してパーパスやビジョンをどう解釈するのかという研修になるなど、どうしても言葉やフレーズの無意識な押しつけになってしまいやすいのですが、僕たちは社員一人ひとりを起点にアプローチすべきだと思っています。「自分はこれまで何を大事にしてきて、この先どうありたいのか」という点から入っていくと、会社が目指す未来との接点が見えてくる。「ブラインド・コミュニケーション」を通じて、自分とじっくり向き合い、所属する組織のあり方について深く考えていくと、その接点が見つかりやすくなります。結果として、会社と自身の存在意義が腹落ちし、生き生きと働ける環境づくりにつながっていきます。

健介:このプログラムを実施していると、僕たちが普段いかに視覚にリソースを割いているのかを実感します。アイマスクで物理的に視覚を遮ることで、人の話を集中して聞けるようになりますし、書いてきたメモなども読めませんから、自分の頭で考え、心で感じることをそのまま言葉で表現できるようになる人が多いなと感じますね。

裕太:健介くんの言う通り、目を隠すことで周囲の視線が気にならなくなるからか、皆さんおもしろい具合に、素面では言いにくい本音をたくさん話してくださいます。「見えない」からこそ、組織や自分のビジョンが見えてくる、という謎な現象が起きるんです。

健介:「心理的安全性が保たれる環境」というのも、本音を話しやすいポイントなのかもしれません。先日行ったワークショップでは、「愛」や「叶えたい夢」について、恥ずかしがらずに自らの言葉を尽くして本音で語ってくださいました。そのため、プログラムの終盤はかなり感動的で、「この会社の人たちと働けて幸せ」という言葉が聞こえてくるくらい盛り上がりました。

裕太:少し前に、芸術系の学部に所属する学生に対して、自らのキャリアプランを描くことを目的に『ビジョン・クエスト』を実施したのですが、参加した学生からは「目からうろこ」と好評でした。将来、やりたいことが明確にあると思いきや、わざわざ言語化し合う機会は少ないという人が多く、ワークショップ後のアンケートには進路を変えようかなという学生もいたのが印象的でしたね。

浸透の先に見える「活躍の場」や「手法」としての幅の広がり

ブラインド・コミュニケーターが社員としてどの企業でも活躍している未来

ーここまで、さまざまなお話を伺って、「ブラインド・コミュニケーション」が社会の中にさらに浸透していくと、視覚障害のある方の新たな活躍の場が生まれるように感じました。

裕太「目が見えない」という特性を「問いかけのプロ」と捉え、あらゆる組織で視覚障害者が活躍できる未来を実現したいですね。「ブラインド・コミュニケーション」とは少し別軸になりますが、僕の知り合いで、健介くんと同じように視覚障害のある方が、企業の人事担当として活躍している事例があります。具体的には、採用の最終面接の場に同席し、採用候補者の声色や話し方、話している内容から感じたことを、役員に伝えるという役割を担っているのですが、それがその企業らしい文化の醸成に大きく貢献しているそうなんです。

健介:障害のある方が活躍できる場所について考える際、当事者として1つだけ注意点を述べさせていただくと、皆さんと同様に障害者一人ひとりに個性があり、得手不得手があるという点は、あらためて強調したいです。視覚障害のある人全員が、人事担当やブラインド・コミュニケーターとして活躍できるわけではなく、たとえば、ブラインド・コミュニケーターであれば、対話の場を円滑に回したり、適切な問いかけができるコミュニケーションスキルが求められますよね。これは、視覚障害の有無に関わらず、「その人が個人として持ち合わせているスキルが、その職にあっているか」という、ごく普通の視点です。これらを踏まえて、各職種の持つ特徴と、障害のある方の特性・個性が合致したとき、その人らしく活躍できることにつながるのかなと。

裕太:「ブラインド・コミュニケーターが、社員としてどの企業でも活躍している未来」が当たり前になったら、もっとごきげんな社会になると思うんですよね。

健介:僕たちが組織に入り込むことで、社内の多様性をさらに加速し、新しい視点を取り入れることにつながるのではと考えていますからね。それこそ、裕太くんは、僕と一緒にいることに慣れているので、いつも普通に接してくれますが、世の中ではまだまだ「障害者=ケアして助けてあげなければならない人」という認識が根強く残っているように感じます。しかし、その認識をすべての障害者に当てはめてしまうのは違います。繰り返しになりますが、僕たちは皆さんと同じように、一人ひとり個性があって、できることがあって、苦手なことや得意なこと、好きなことがある。ブラインド・コミュニケーターが各社に存在すると、そうした多様なバックグラウンドの存在に気づくきっかけにもなるのではないでしょうか。

裕太:日本人は、空気や行間を読む「暗黙の了解」が多すぎるんですよね。言葉にしなくても、共通認識として処理してしまうものが多すぎる。悪いことではないけど、その弊害に無自覚でもある。ブラインド・コミュニケーターや、PRのプロフェッショナルが対話に介入することで、そのような“ハイコンテクスト”な状況を少しずつ緩めていって、「自らの言葉を尽くして、自らがいろいろなことを発見するきっかけ」になるのではないかと思います。

超情報化社会だからこそ提供したい、自分や物事と深く向き合う“豊かな時間”

ーまだ発展途中だというお話もありましたが、お二人の中では、現時点で「ブラインド・コミュニケーション」の未来をどのように見据えていますか。

裕太:本当にいろいろな場面で活用できる手法だなと思っています。最近では、「ブラインド・コミュニケーション」を通じて発見したストーリーを、“耳で聴くコンテンツ”に変換するのも有効だなと、社内で試験的な取り組みを始めたところです。

健介:本音が引き出せるから、ラジオやポッドキャストのようなコンテンツにすると、結構おもしろい番組ができあがるんですよね。

裕太:そうなんですよ。先日も、当社の代表と健介くんにブラインド対談をしてもらい、それを「聴く社内報」として社内にポッドキャスト配信したのですが、全社会議などでは聞けないような、代表の想いやエピソードをたっぷりと語ってもらうことができました。『ビジョン・クエスト』のようなワークショップは、1回につき数十名の参加が基本ですが、それをオーディブルなコンテンツにすることで、数万規模の社員にも共有できますから、まだまだ可能性の広がりを感じています。
※電通PRコンサルティングで行った社内ワークショップの様子(音声)

ーそうした「ブラインド・コミュニケーション」を活用した取り組みを実施したい場合、どのように始めれば良いでしょうか。

裕太:もしも社内に、視覚に障害があってファシリテーションに関心ある方がいらっしゃる場合、みんなでブラインド対話をすることからはじめてみると良いかもしれません。ただ、「ブラインド・コミュニケーション」を通じて達成したい目的によってもやり方は変わってきますので、もしも迷われた際は、ぜひ私たちにご相談いただければと思います。

健介:裕太くんが話していたとおり、「ブラインド・コミュニケーション」は数ある手段の1つ。企業が抱える課題のどのレイヤーに僕たちが介入するのかによっても、得られる効果やコミュニケーション設計の仕方は大きく変わってくると思います。

裕太:高度に情報化された現代社会だからこそ、自戒の念を込めて「分かったつもりにならないこと」が何よりも大切だなと強く感じます。ブラインド・コミュニケーターとPRコンサルタントがタッグを組んでつくるのは、一人ひとりが自分や他者と深く向き合える豊かな時間と空間です。これが「ブラインド・コミュニケーション」を通じて提供できる、人としての大事な営みなのかなと思います。


\『ビジョン・クエスト』体験会開催!/
本記事内で紹介した『ビジョン・クエスト』が無料で体験できます!
パーパス浸透、ビジョン再定義、社員エンゲージメント強化など… 
コーポレート・ブランディングに関わるさまざまな課題を解決する、対話型のワークショップです。

◆日時:2024年10月16日(水) ※各回最大20名様までです
– 1回目:10:00~12:00(受付 9:30~)
– 2回目:15:00~17:00(受付 14:30~)
◆場所:電通本社ビル(36階)
◆申込締切:2024年9月27日(金)

詳細・お申込みはこちらから!

16年目で初実施!森永『1チョコ for 1スマイル サマーキャンペーン』|ジェニトピ

森永製菓株式会社が取り組む、カカオ生産国の子どもたちを支援する活動「1チョコ for 1スマイル」において、「1チョコ for 1スマイル サマーキャンペーン」を2024年8月19日~9月8日の期間で実施しました。今回のキャンペーンは、「1チョコ for 1スマイル」の活動開始後、16年間で初めての取り組み。対象SNSツールでの1アクションにつき10円を、国際NGOプラン・インターナショナルと日本生まれのNGO ACE(エース)を通じて、エクアドルとガーナの子どもたちの支援につなげます。

また、このキャンペーンに伴い、2024年9月1日には「チョコ×アイスでひんやり!カカオの国のことを学んで笑顔を届けよう – 1チョコ for 1スマイル サマーイベント」を開催。「カカオ」を使用したアイス商品を活用しながら、クイズ形式で「1チョコ for 1スマイル」やカカオ生産国について学びを提供しました。

Background

1チョコ for 1スマイル」は、森永製菓が2008年から続けている活動です。支援パートナーである国際NGOプラン・インターナショナルと、日本生まれのNGO ACEを通じて、ガーナなどカカオ生産国の未来を担う子どもたちの教育環境改善や児童労働問題への取り組みを、商品の売り上げの一部を使って支援してきました。

今回のキャンペーンは、カカオの国のことや「1チョコ for 1スマイル」の取り組みに関する“学び”のアクション(投稿・行動)が、カカオの国の未来を担う子どもたちへの支援につながるもの。まずは、知ることがカカオ産業のサステナビリティ向上への一歩となり、カカオの国の子どもたちの笑顔の“たね”になると考え、企画されています。また、「チョコレートを⾷べる⼈も、カカオの国で学ぶ⼦どもたちも、みんなの笑顔を未来につなぎたい。」という森永製菓の想いも込められているそうです。

Target
20〜30代をコアにした若年層と、SDGsやカカオ豆高騰の要因に興味を持ってくれる世代をターゲットにしています。

Why Now?
これまで、「1チョコ for 1スマイル」は、年に1回の特別期間(2024年は、1月5日〜2月14日)のみのキャンペーン開催となっており、なかなか認知を広げることができていなかったそう。カカオ生産国の問題は、日本のバレンタイン期間だけに起こっているものではないため、バレンタインを意識した特別期間以外でも活動を知ってもらう機会が必要だとの考えもあり、企画が進みました。

加えて、今年は4月頃からカカオ豆の取引価格が高騰しており、生活者にも少しずつそのニュースが広がっています。そんな今だからこそ、「1チョコ for 1スマイル」の取り組みだけでなく、カカオ生産国に目を向けてもらえる機会になるのではと考えたそうです。

Planning Point

「1チョコ for 1スマイル」の取り組みで大切にしていることは、「参加型の企画」であるということ。あわせて、今回のキャンペーンには、「『1チョコ for 1スマイル』の取り組みを通じて、もっと現地のことを知ってもらいたい」「いつの間にか参加していた、ではなく能動的に意義を感じながら参加してもらいたい」といった想いが込められています。

そのため、各種SNS(X、Instagram)上でおこなわれる、いいね・リポスト・投稿などの“アクション”や、イベントでの「1チョコ for 1スマイル」やカカオ生産国の課題を知り、クイズに答えるという“アクション”を通じて、少しでも自分ゴトとなり、認知の質を高められるように意識したそうです。

また、参加者へのメリットもしっかりと提示することで、自分たちもカカオの国の子どもたちも笑顔になれるような取り組みを実現しました。

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1日で30万IMP超の話題に!おもちゃのAED『トイこころ』|ジェニトピ

株式会社坂野電機工業所が、遊びながらAEDを知るおもちゃ『トイこころ』の予約販売に向け、2024年9月6日にホームページを公開しました。サイト公開から24時間で、30万超のインプレッション数を獲得した本製品は、告知から約1年半をかけて完成しました。

Background

開発者の坂野さんは、現在の坂野電機工業所の代表になる以前、臨床工学技士という資格を持ちながら、医療系の仕事に8年間携わっていました。その頃から、AEDの大切さや理解不足を実感すると同時に、AEDにとても思い入れがあったそう。こうした経緯を経て、坂野電機工業所に入社し、工場の顧客へ安全性を提供する目的で、AEDの販売を始めました。しかし、その際にも、AEDがいまいち理解されていないと感じたそうです。それから、AEDを販売するだけでなく、AEDの大切さや理解度を高めてもらうための活動をしたいと考え、AED認知活動がスタートしました。活動のテーマは“楽しく”。今回のおもちゃの前には、ペーパークラフトのAEDなども公開したそう。その活動の一環として、今回のおもちゃが作られました。

AEDの一般市民利用がはじまって20年、AEDの認知度などは向上したものの、関心の薄い人はそこから先の理解をするフェーズまでは、なかなか到達していません。この層に、AEDについて学び・理解してもらうためには、まず興味を持ってもらうことが重要だと考えたそう。そこで目を向けたのが、「おもちゃのお医者さんセット」。子どもが、おもちゃの注射器や聴診器で遊ぶことで、その役割や使い方を知るきっかけになります。AEDもおもちゃにできれば、AEDで子どもが遊び、学べる世界が作れると同時に、親も一緒に学び、理解することができる。そうすることで、おもちゃとして遊んでいたAEDが街中にあることに気づき、その先にある具体的な学び(心肺蘇生法)につながるとの考えから、開発にいたりました。

Target
ターゲットは小さな子ども。このおもちゃが、家で遊ぶアイテムになってほしいとの想いが込められています。また、今回は少量での生産ですが、すでに全国の保育園・幼稚園に置きたいという声も多くあがっていることから、実現に向けて活動しているそう。現在の幼稚園では、施設によって心肺蘇生法を知る講習などもあるため、機械的な本物のAEDではなく、“はじめましてのAED”として『トイこころ』を使ってほしいと考えているそうです。

Why Now?
9月8日~14日は救急医療週間、9月9日は救急の日に制定されており、救急とAEDの繋がりが深いことから、このタイミングでの公開となりました。ここから、先行販売を予定している11月~12月に向けてさまざまな情報を提供し、多くのファンを作っていきたいと考えています。

Planning Point

『トイこころ』の完成までに、さまざまな分野の医療従事者に意見をもらったり、保育園の先生、イベントに来場した子どもたちに触ってもらったりしたそう。加えて、『トイこころ』のLINEオープンチャットを開設し、現在も色々な意見をもらいながら、製品に反映しています。また、関わってくれた人には『トイこころ』のファンになってもらえるよう意識してコミュニケーションをとっているそうです。

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公式サイト

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百貨店が展開する“体験型ストア”『明日見世』|ジェニトピ

大丸松坂屋百貨店が、大丸東京店で展開していたD2Cブランドのショールーミングスペース『明日見世(あすみせ)』を、2024年9月18日に同店9階でリニューアルオープンします。『明日見世』は、2021年10月にオープンして以来、ショールーミングスペースでありながら、百貨店の強みである「人と人とのコミュニケーション」を大切に運営されています。

Background

同社は、現行の中期3か年計画において、「顧客とのタッチポイントの魅力化」「コンテンツの充実」を重点戦略に掲げています。大丸東京店内の『明日見世』は、「移動の合間の利用から『目的地化』を目指す」「消費の新しい価値観に対する『百貨店の新しい楽しみ方』を創出する」という2つの目標に向かって、多様な目的で何度でも来店したくなる“体験型ストア”をテーマに生まれ変わるべく、今回のリニューアルが決定しました。

Target
新規顧客として、ミレニアル世代をメインターゲットとしているそう。また、既存顧客としては、豊洲等の近隣住民や、丸の内・八重洲などのビジネスマンの2軸を想定しています。

Why Now?
2021年10月に新規事業としてオープンし、3年が経過したこと、また、秋から冬にかけて最も集客が高まるシーズンであることから、このタイミングの実施となっています。

Planning Point

『明日見世』では、ECサイト経由で直接販売する、D2Cブランドの商品を中心に展開しており、商品背景を熟知したスタッフ(=アンバサダー)を通じて、商品の説明を聞いたり、ブランドストーリーを知ったりすることができます。商品は、店頭に設置されたQRコードを読み込むことによって、出品ブランドのECサイトから購入できるそう。

加えて、上記のショールーミングに加え、一部商品の物販といったショップ機能や、カフェ、イベント・インスタレーションなどの要素を揃えています。同社が持つ資産である、「リアル店舗」と「接客ノウハウを持つヒト」を活かせる取り組みであると考えているそうです。

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公式サイト

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都内産野菜を買って食べて体験する『農toアートのマルシェ』とは|ジェニトピ

アールイー株式会社が、2024年8月31日と9月1日の2日間にわたり、食イベント『農toアートのマルシェ in コピス吉祥寺』を開催しました。本イベントは、東京都内で生産される野菜や果物の安全性・おいしさを知ってもらうことで、地産地消を促進することを目的としています。2024年2月以来、半年ぶり3回目の開催となる今回のテーマは「アート」です。

Background

「GREENINGしよう。」(GREENING=生命力と新鮮さを回復させて、自然な状態の自分にもどすこと)というコンセプトを掲げるコピス吉祥寺は、商業施設でありながら、新しい時代にあった「豊かな暮らし方」を吉祥寺から発信することを目指し、さまざまな取り組みをしています。その一環として、2023年7月に、1回目のイベント「農to食のマルシェ」を開催。それに続く形で、今回の「農toアートのマルシェ」を開催することになったそう。これまで同様、マルシェやフードショップの出店などがあるほか、テーマの「アート」にちなんで、カービングショーや、多摩美術大学の学生などによるワークショップ等のイベントも実施し、「買う・食べる」だけではなく、「体験する」こともできるイベントにすることで、東京都産の野菜の魅力を発信しました。

Target
本イベントには、「東京都産野菜の普及」と「地域住人の属性」という2つの側面があるそう。それに合わせて、子育て世代の30~40代前後のご家族をメインターゲットとして想定しています。

Why Now?
アールイーとコピス吉祥寺は、年4回をベースに「農to○○」というイベントを両社共同で実施しているそう。その中で、夏休み時期の開催を検討した際に、「お盆や夏休みは、吉祥寺の立地条件だと人が少ない」ことから、多くの来客が見込める8月末を選んでいます。夏休み期間中に開催を考えた際、お盆や純粋な夏休みだと吉祥寺の立地条件だと人が少ないので、多く来客が見込める時期として8月末を選択しています。

Planning Point

マルシェに来て、農産品を買って食べる、料理して食べるだけでなく、「野菜が楽しい」「面白い」というような、体験や感動も与えられる取り組みを目指し、さまざまなイベントを企画・運営しています。そのため、単に「マルシェに来てください」というような訴求はおこなっていないそうです。

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テーマはインクルーシブデザイン『共に創るデザイン展』|ジェニトピ

二子玉川 蔦屋家電の次世代型ショールーム「蔦屋家電+」が、2024年8月24日~9月23日の期間、企画展『共に創るデザイン展』を開催。この展示では、さまざまなハンディキャップの解消を目指す”インクルーシブデザイン”が集められています。「誰もが使える」を、テクノロジーやデザインで実現するプロダクトが、「蔦屋家電+」ならではのキュレーションで紹介されています。

Background

会場となる「蔦屋家電+」は、世界中のユニークなプロダクトやサービスを発見・体験できる次世代型ショールームです。昨年から、新たな取り組みとして、「蔦屋家電+」が注目するテーマを軸にプロダクトの集約展示をはじめたそう。テーマがあることで、製品を知ってもらうだけでなく、ものづくりや、それが社会にもたらす影響・変化を感じてもらえるような展示を目指しています。 そうした中で、視覚障害者向けの製品である『ココテープ』を通じた、インクルーシブデザインの実践や活用を得意とする、PLAYWORKS社との出会いがあり、今回の展示が実施されました。

Target
インクルーシブデザインに興味のある方はもちろん、新しいものや、ユニークなものが好きな方、インクルーシブデザインに触れたことがない方にも、気軽に体験して欲しいそうです。

Why Now?
この時期には、パリパラリンピックが開催されるため、障害を持つ方を対象とするフェアはどうかという視点から企画が始まったそう。企画に際してリサーチを進めていく中で、「健常者」「障害者」など使用者を区別をせず、Include(包括的)なDesign(デザイン)を実践しているプロダクトがたくさんあると知り、「展示プロダクトを『障害+スポーツ』のみに制限しないほうが、より多くの方に自分ゴトとして展示を体験してもらえるのではないか」と考え、このタイミングに“インクルーシブデザイン”をテーマにした展示をおこなうことになりました。

Planning Point

タイトルを決める際に、「インクルーシブデザイン」という言葉が、まだまだ一般的でないのではないか?などの意見があり、できるだけ広く伝わる言葉を探していくなかで「共創」というキーワードに辿り着き、タイトルを『共に創るデザイン展』としました。この展示が「インクルーシブデザイン」を知るきっかけになればとの想いも込められています。

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不登校からパラレル登校へ、教育の多様化を広める挑戦|ジェニトピ

学校が合わない子どものためのオンライン教室『夢中教室』を展開するワオフル株式会社が、学校に行けずに苦しむ子どもが毎年増える夏休み明けに、「不登校」のイメージを変えるSNSキャンペーンを、2024年8月29日~9月15日の期間で実施しています。キャンペーン期間に「#不登校からパラレル登校へ」をつけたSNS投稿が増えることで、「不登校」のもつイメージを変えることを目的としています。

Background

『夢中教室』は、2020年よりスタートした、学校が合わない子ども向けのオンライン教室。1対1で、テスト勉強のためではない、一人ひとりの興味関心に伴走することで自己肯定感を温める、幸せな自立に向けたアプローチをおこなっています。その取り組みのなかで、同社は夏休みが明ける時期に、不登校に関する悩みを抱える子ども・保護者の方と多く出会ってきたそう。

世の中でも、「不登校は悪くない」と考える人が増えていたり、文部科学省が『COCOLOプラン』を発表したりと、学校以外の選択肢を認める潮流があるものの、いまだ学校に合わないと感じた際に、苦しさを抱える子ども・保護者の方も一定数存在しています。同社は、その理由のひとつとして、「不登校」という言葉が、既存の学校に行くことができない=「不」であるというネガティブなニュアンスを含んでいることにあると考えたそう。

そこで、新しく「#パラレル登校」というワードを提案。大人が、パラレルキャリア・副業・二拠点生活…といった多様な生き方を選べるようになってきた現代において、子どもも多様な教育を選べる世の中になるようにとの想いが込められています。このワードを広めていくため、今回のキャンペーンが企画されました。

Target
本企画が最も届いて欲しいのは、「学校に合わない子どもを持つ保護者の方」だそう。先述したように、不登校や精神疾患で苦しむ子どもが増える夏休み明けの時期は、そのような状況の子どもにどう対応すればよいかわからず困る保護者の方が増える時期でもあります。そこで、オンラインの選択肢を提供する同社が、『夢中教室』をはじめとした、“多様な学び方”ができるようになってきていることを伝えていくことで、保護者の方の一助になりたいというような想いも込められているそうです。

Why Now?
学校に行けず、苦しむ子どもが毎年増える夏休み明けに合わせて、「不登校」のイメージを変える本企画を実施しています。

Planning Point

コミュニケーションをおこなう上で意識したのは、「どうして不登校という言葉を変えようとしているのか、背景を丁寧に伝えること」です。不登校について、さまざまな考えを持つ方がいるなかで、「名前を変えただけじゃ意味がない」「教育を変えないと意味がない」というような声があがることも想定されます。

もちろん、その通りではある上で、このキャンペーンは、①実態として学び方が多様化してきていること ②不登校というネガティブな意味を内包してしまった言葉ゆえに苦しんでしまう人がいることの2つを念頭に置き、「言葉を変える」という提案をしています。キャンペーン画像のなかにこうした背景を言葉でもしっかりと入れ込むと同時に、サブタイトルで『不登校の「不」を変えよう』と明記することで、そのようなニュアンスが伝わってほしいとの想いが込められています。

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日本市場に合わせた“甘くない”チャミスル『チャミボール』新発売|ジェニトピ

眞露株式会社が「チャミスル」ブランドから、新商品『チャミボール』を2024年9月10日より一部のコンビニエンスストアで先行発売します。日本市場に合わせた「“甘くない”チャミスル」で、世界初の缶タイプとして販売されます。

Background

ライフスタイルやお酒の飲み方、お酒の味に対する嗜好が変化してきた、20代中盤~30代の方に向けて、「甘くない」というキーワードのチャミスルを販売するのはどうかと考えたのが、開発の背景です。「チャミスル」は、動画配信サービスで話題となった韓国ドラマに登場する「緑の小瓶のお酒」として、2020年頃から大きく認知と販売が拡大したそう。そこから、幅広い世代の人が楽しむ商品となり、特に大学生を含む20代前半の購買者が多くの割合を占めていました。(詳しくはコチラ

それから4年経った現在、当時のメイン購買層が就職したり、お酒の飲み方が変化(仕事終わりの飲み会や晩酌など)したりしたことで、「チャミスルを飲む機会が減った」という声が出てきたそう。そのような、「チャミスル」というブランド自体への好感度は変わらないものの、これまで「チャミスル」を飲んでいた「友人との宅飲み」や「韓国料理店へ行く機会」が減ってきたという生活者に向けて、「日常」の中で楽しんでもらえる商品は何かと考えたことがスタートでした。

特に、そのような人は、お酒の味に対する嗜好が「甘い」から「ドライ・辛口・スッキリ」に変化してくるタイミング。それに合わせて、「“甘くない”チャミスル」という方向性で開発されています。加えて、平日の夜や夕食に合わせて気軽に飲んでもらいたいとの想いから、「RTD(Ready To Drink=開けてすぐ飲める」という手軽な缶のパッケージを採用しています。

Target
先述している通り、お酒に対する評価ポイントが、「甘い」から「甘くない」に変化してきた、20代中盤~30代の方がメインターゲット。加えて、「チャミスル」のなかでも「fresh」という、プレーンな味わいの商品を楽しんでいる方に調査をしたところ、30~40代の男性において「比較的お酒が好きで、食中酒として楽しんでいる」という声が多く、そのような方にもぜひ試してほしい商品だそうです。

Why Now?
夏の終わりから秋にかけての季節は、多くの人が暑さから少しずつ解放され、飲み物の選択肢が変わり始めるタイミング。また、その後の年末年始を見据えて、秋から冬にかけて生活者の関心を引くため、各社、この時期は新商品の発売が多くなります。眞露もその考えのもと、9月のタイミングで発売を決めたそうです。

Planning Point

「チャミスル」は、20代の認知度が80%以上の商品。その世代は、SNSを日常的に利用する割合が非常に高いため、まずはSNSでのアプローチをおこないました。具体的には、『チャミボール』の特徴である“炭酸感”を活かして、「そこは炭酸でスッキリしましょ」という、『チャミボール』が飲みたくなるような、「あるある」な瞬間を切り取った投稿となっています。今後も、そのような「あるある」も含め、より「日常」に寄り添っていけるようなプロダクトとしてのメッセージを意識していきたいと考えているそうです。

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引用元
『チャミボール』商品ページ

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「どうやらうまいらしい」瀬戸しおウェブCM・OOHに迫る|ジェニトピ

株式会社栗山米菓が、『瀬戸しお』の新ウェブCM2024年9月2日より放送するとともに、CMと連動したOOH広告を展開しています。本プロモーションにおけるキャッチコピーは「どうやらうまいらしい」。今回のクリエイティブには、実際にXでポストされている「瀬戸しお」に関する投稿の中から、ユニークなコメントをピックアップし、生の声を反映しています。

Background

企画のベースは、瀬戸しおの販促プロモーションで購入率アップを狙ったものになっています。その際に大切にしたのは、“瀬戸しおの商品リピートにまつわる仮説”。瀬戸しおは『食べたことのある人の多くが「好き」と答え、はじめて食べた人も、思ったより「おいしい」と答える』という特徴があり、特定層からリピートが強い可能性があると考えたそう。この“食べればわかるせんべい”という特徴から、とにかく「一度食べてみたくなる」という心理を醸成することが鍵だと考え、今回のクリエイティブが生まれました。

Target
ひとつは、「瀬戸しおを食べたことのない人」。そして、話題化を想定し、SNSネイティブへのリーチを強く意識しています。加えて、既存の瀬戸しおファンにとっても、自分の好きなものが評価されているという「嬉しくなる気持ち」の醸成も目指したそうです。

Why Now?
CMとOOH広告のスタートは9月2日。残暑に差し掛かる時期で、暑さも下降気味となり、徐々にせんべい需要も盛り返してくる傾向にあるこの時期に合わせて展開しています。また、直前には同社のトップブランドである「ばかうけ」のプロモーションを実施していたため、栗山米菓への好意度も比較的高い状態という点も意識されています。

Planning Point

本施策の狙いは、「一度食べてみたくなる」心理の醸成のため、いかに“おいしさへの期待値”を持たせるかが重要だったそう。一方で、世の中のあらゆる食品が広告上で「おいしい」と謳っているなか、その手段も「シズル」「連呼」「タレントのレコメンド」などの飽和状態だった現状がありました。その課題を突破する方法として、今回Xコメントの引用が採用されています。

Xは、SNSのなかでも生活者の「本音」を最も可視化することのできるオープンプラットフォーム。食品の広告上で、コメントを活用した手法がまだないことにも着目しました。特に、瀬戸しおは、そのシンプルなネーミングも相まってか、X上では数えきれないほどのコメントがあり、そのほとんどがポジティブな内容だったそう。そして、それらを活用すること自体が、瀬戸しおらしさでもあり、商品力を強く証明するものだと感じ、今回の企画が実施されています。

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引用元
公式サイト

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relay×北九州市『のれん引き継ぎプロジェクト』スタート|ジェニトピ

事業継承プラットフォーム『relay(リレイ)』を運営する株式会社ライトライトが、福岡県北九州市と連携し、地域で育まれてきた事業を次世代につなぐ「のれん引継ぎプロジェクト」をスタートしました。本プロジェクトでは、北九市内で愛されきた「後世に残したいお店・味・ものづくり」をSNS・フォーム投稿で募るキャンペーン企画が実施されています。

Background

九州の玄関口であり、古くから陸海の交通の要衝として栄えてきた福岡県北九州市。半導体関連産業や自動車産業が盛んで、地域に愛され育まれてきたお店・味・ものづくりがたくさんあります。一方で、市内の事業の8割が小規模事業者であることから、近年は経営者の高齢化や後継者不在により、やむなく廃業してしまうケースも増加しています。地域を支えてきた小規模事業者の廃業は、超高齢社会を迎える地域社会において、地域経済の衰退に直結する非常に大きな社会課題です。地域に愛され、育まれてきた北九州市内の事業を未来へつなぎたいという想いから、今回の企画が誕生しました。

Target
北九州市に住んでいる方や北九州市出身の方、北九州市に思い出を持つ方、縁やゆかりがある方を主なターゲットとしています。

Why Now?
本キャンペーンは、relay×北九州市の令和6年度事業として、このタイミングで実施したそうです。

Planning Point

一般的に、どこか他人事のようなイメージがある「事業承継」。本企画では「事業継承」を「後世に残したいお店・味・ものづくり」という切り口で発信することで、より自分ゴトとして捉えてもらえように意識しています。また、デザインも「閉店」や「廃業」ではなく、「愛される店」をイメージできるよう、ポップなデザインにしたそうです。また、SNSで気軽に投稿できるようなハッシュタグに加え、北九州市協力のもと、各施設へのポスター・チラシ配布、駅構内・バス内での広告など、生活圏内で目に留まり、認知してもらえるように、複数媒体での周知をおこなっています。

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引用元

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