概要
『The Last Photo』は、メンタルヘルス向上で協力し合うイギリスのテレビ局・ITVと、自殺防止コミュニティであるCALMが実施した自殺防止のためのキャンペーンです。「自ら命を絶ってしまう人の多くは、その予兆として悲しい表情しか浮かべていないわけではない」というメッセージを表現するため、「The Happiest Day of the Year(一年で最も幸せな日)」として知られる6月20日に、ロンドン中心街に自殺者たちが生前最後に撮られた写真を展示し、それらをまとめた動画を公開。動画内では、一見、幸せな生活を送っている人々の写真ですが、展示されている写真は自殺で亡くなった人々の最後の写真であることを明かしました。
PRポイント
2023年のカンヌライオンズを受賞した『The Last Photo』。一見幸せそうなのに、実はこれが自殺で亡くなった人々の最後の写真であることを、展示会を通してインスタレーション※ の場を作っています。このように疑似体験をさせることで受け手の感情を動かし、自殺の問題をより身近で重要なこととして自分ゴト化させている点がポイントです。また、写真展とその意図をITVの番組で明らかにするなど、「自殺」というセンシティブなテーマを、テレビ局と組む座組にする(普段のコミュニケーションの一部に組み込む)ことで、多くの人に知ってもらうキッカケづくりとしています。
※インスタレーションとは、据え付け・取付け・設置の意味から転じて、展示空間を含めて作品とみなす手法のこと
出典
●https://www.thecalmzone.net/thelastphoto
菅原 雄飛
株式会社マテリアル ブランドプロデューサー/Eagleメンバー
2021年12月にマテリアルに入社。プロデューサーとして、日用品や食品メーカー、施設など多種多様なジャンルのPR業務に従事。SDGs/ESGを専門としたマテリアル内チームを兼務。趣味はラグビーと映画鑑賞。