概要
ドイツ・ミュンヘンを中心に事業を展開する、日系繊維スタートアップ AIZOMEは、クリエイティブエージェンシーServiceplan Innovationと共同で、同社の繊維製造工程で出る廃水を利用した、プレミアムスキンケア製品『WASTECARE™』を2023年4月17日(現地時間)に発表しました。藍染は、化学物質を一切使用せず、藍と水のみを使用した100%オーガニックな染色方法です。色合いが美しい藍染には、菌の増殖をおさえ、肌荒れを防ぐ効果が明らかになっています。その効果の高さは、全米湿疹協会やケンブリッジ大学からの認証を得ているほど。AIZOMEは、この製造工程のオーガニックさや製品自体の薬効から、染色後に残る「廃水」に注目しました。欧州の研究機関・ユーロフィンの調査によると、AIZOMEの廃水にも藍の成分が含まれており、乾燥でデリケートになった肌を整え、やさしく保湿する効果があるという見解が示されました。AIZOMEの廃水のユニークな特徴を生かして開発されたのが、製造工程で出る廃水をそのまま使用したプレミアムスキンケア製品『WASTECARE™』です。寝具をメインとしたAIZOMEの製品ラインナップを鑑みて、「夜用美容液」というコンセプトで開発。『WASTECARE™』は、化粧品としての安全性にも配慮し、医療用の小瓶に詰められ、完全なリサイクル材で梱包されています。
PRポイント
企業がSDGsに取り組む上での大切なポイントとして「企業の本業を通じた社会解決しているか」という点があります。今回のAIZOMEの事例は、一見「なんで寝具を製造・販売しているAIZOMEがスキンケア製品を?」という疑問が生まれるのですが、実はファッション産業は世界第2位の汚染産業として有名で、繊維を染める際に大量の水を使用し、それを汚染しているんです。繊維産業が出す廃水には、有害物質が大量に含まれていることも問題となっています。 AIZOMEは、自社で製品を製造する過程で生まれる廃水を利用して、「夜用美容液」を開発しました。また「夜用美容液」というコンセプトは、AIZOMEが寝具を製造・販売しているということから生まれており、「企業の本業を通じた社会解決しているか」という点にピッタリ当てはまります。こういった点が、SDGs活動としてとても良いなと感じました。
出典
●https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000121281.html
●https://aizome-textiles.com/products/wastecare%E2%84%A2
佐々木 真瑚
株式会社マテリアル ストーリーテリングセンター メディアグループ/Eagleメンバー
大学卒業後に新卒でマテリアルに入社。プロデューサーとして、自動車メーカーや総合電機メーカーなどのナショナルクライアントをはじめとした、多様なクライアントのPR支援を担当。その後、メディアグループに異動し、メディアとのリレーション構築を担当。趣味は、おいしいお酒とおいしいご飯をたくさん食べること、愛犬をめでること。